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ナーシェルと不思議な仲間たち

  • 2019年9月26日
  • 2020年2月24日
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其の五 ふうせん男爵、気球になる

「そうかやっぱりダメだったか……」
 話をきいたシドじいは、そういって何度もうなずいた。
 ナーシェルたちは太陽の王の説得をあきらめ、天文台にもどってきたのだが、
「月の王はどこにいるんです?」ネッチがきくと、「あそこじゃよ」シドじいは天井をゆびさした。
「屋根裏にいるの?」
 ナーシェルたちが妙な顔をしていると、シドじいはあきれたように頭をふった。
「ちがう。空のうえ、つまりはお月さまじゃよ」
「は──?」
 ナーシェルたちはかたまってしまった。まさかこの地上からいなくなっているとは思わなかったのだ。
「月にいるだとっ? そんなのどうやって行けばいいんだよっ」
 シングルハットがおこってシッポをふりたてると、
「だから、月の王に会うのはむずかしいといったじゃろうっ」
 シドじいもムッとしてやりかえす。「ほかに月に行く方法はないんですか?」
「あることにはあるが、月の王さまにしかできんわい」
 と答えた。ナーシェルは愕然と問いかけた。
「じゃあ、月に行くのは?」
「ムリ、ということじゃ」

◇ 閑話休題

 大事なお知らせですけど、またお話が切れております。この後、ナーシェルたちは気球づくりにおおわらわとなるのですが。
 お話は、気球で飛び立った直後、順調な空の旅から始まります。

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