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司馬鳳仙は、山麓のなかほどにある神社の境内で、司馬李玄の帰りを待っていた。
別界(司馬らのいる本界の下位世界。呼び名は通称である)についたのは二日前だが、李玄と鉄斎には会えぬままだ。
李玄たちがねぐらとしているのは、太守神社という小さな社である。
瀏帝は本界との通路を、この小さな社に築いたのだ。
過去には別界と本界は自由に行き来をしていた。が、現在では皇家が往来を禁止して、別界に渡る術も隠匿している。
とはいえ、犯人捕縛に協力してはいる。司馬一族の者が兄を殺した後も、瀏帝は養育掛かりであった鉄斎を信頼しているようだ。
鳳仙は霊力を視覚と結びつけて下界の様子を探っていた。
「五体を霊力と結びつける法」とも内界術とも呼ばれている。
神社から眼下の道路に続く石段を李玄がのぼってくるのが見えた。どうやら鉄斎を背負っているようだ。
また無茶をしでかしたらしい。
鳳仙は吐息をつくと、階段を下りていった。