ねじまげ物語の冒険 全文掲載!

ねじまげ物語の冒険 目次

○  はじめに
◆ 第一部 果てしない物語の果てしない始まり
○  その少年について
◆ 第一章 恐怖の院長とほらふきな男爵について
□   その一 養護院みろくの里の実体について
□   その二 ほらふき男爵、かく現りき
◆ 第二章 狂った物語と世界の真実
□   その一 三人の新しい仲間と、牧村一家の役目のこと
□   その二 見捨てられた書物と、最初の対峙について
◆ 第二部 果てしない物語と呪われたこどもたち
◆  第一章 泣き虫ジョンとロビンの消息
□   その一 ちびのジョン、大いに弱ること
□   その二 レイノルド・グリーンリーフ、ノッティンガム州長官
◇章前 モーティアナ
◆ 第二章 奴隷になったちびのジョン
□   その一 モーティアナと青いヘビ
◆第三章 シャーウッドの隊長と副隊長、イングランドに再会するこ
◇章前 モーティアナ
□  その一 死刑囚になったロビン・フッド
□  その二 ロビン・フッドと伝説の王
□  その三 パレスチナのロビン・フッド
◆第三部 果てしない物語のちょっとした終幕
◆ 第一章 ノッティガムを攻めたロビン・フッド
□  その一  シャーウッドのロビン、ノッティンガム州長官にふ
□  その二 呪われた一座の再会について
□  その三 罠にはまったロビン・フッド
□  その四 呪われたこどもたち、狂った魔女と対決すること
□  その五 ロビン・フッド、不死の王と対決すること
◆ 第二章 ロビン・フッド、アヴァロンにいたる
□  その一 牧村洋一、グラストンリヴァーをさか上ること
□  その二 アヴァロン島のアーサー王
◆ 第三章 ロビン一味、最後の戦い
□  その一 イングランドのロビン、呪われた都に討ち入ること
□  その二 イングランド、暗闇に遭うお話
□  その三 呪われたこどもたち、伝説の幕を下ろすこと
◆ そして、エンドマークの鐘は鳴る

 

○  はじめに

 一人の男がいる。
 年は四十ばかり。頭は禿げ上がり、妻とは別れ、一人娘にはすっかり嫌われている。会社はリストラしかかり、友達はいない。他人からは、本物の変人だと、思われている。住んでいるところは変てこだし、その人物とて、変てこだ。
 でも、彼は信じている。
 昔、本の世界を旅したことを。
 大昔に別れた、友達のことを。
 その人物が、いつか迎えにくることを。
 だから、今日は、一つの物語を語るとしよう。
 息をついて、しゃれた話を一くさり。
 お気に召すなら、幸いだが。

 不思議なことというのは、意外なことであるだけに、やっぱり意外な場所で起こるというのが常である。意外な場所で起こるからには、やっぱり人の目には止まりにくいし、あるいはそれというものが、不思議で意外であるだけに、誰もが、気のつきにくいものなのかもしれない。不思議な事に、注意している人というものは、やっぱり少ないものなのだ。
 これから私がつらつら述べるお話というものは、やっぱり不思議なことであるだけに、意外な場所で起こっていて、だから、この話を知っている人は、極めてまれであろうと思う。
 人伝に聞いたという人には、違う話に聞こえるかもしれないし、その人と、私がこれから語るお話には、若干の差違もあろうと思う。
 はじめて聞く人ならば、尚更奇異に聞こえることだろう。そのために、怒り出す人もいるだろうし、出鱈目だ嘘吐きだと言って、非難をする人もいくらかはある。
 だけど、そういう人には、不思議なこと意外なことが目に止まりにくいというだけで、やはり奇怪面妖なことなど、この世にはいくらでもあるものなのである。
 本当かよ、と眉に唾をする方、嘘もほんともどうでもよい……と、紙をおめくりになるあなた。
 世の中、反応はごまんとあれど、私はこれだけは言いたい。これから物語るお話というものに、嘘偽りは全くない。
 柔軟で広い心さえあれば、奇怪面妖なことなど、この世には、いくらでも起こりうるものなのである。

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