顎十郎捕物帳『捨公方(再録)』/久生十蘭作  読み手七味春五郎  発行元丸竹書房 オーディオブック

 

1939年から、40年まで連載され、全24話あります。第一作とされている本朗読「捨公方」は、40年の八月号に発表されたもので、作品の時系列では一話目ですが、最後に公開された作品です。
 もともとは顎十郎とは無関係であった作品(弘化花暦)を、改稿したものだそうで、本当の一作目は二話目から……としてもいいのかもしれません。ちなみに、谷川早、のペンネームで出版されました。顎十郎が、久生十蘭名義になったのは、1950年から。
 阿古十郎は現在、甲府勤番となっておりますが、来週からは叔父の森川庄兵衛の世話で、北町奉行の同心見習いとなります。
 久生十蘭の描く捕り物名人の活躍を今週からお楽しみいただければ幸いです。

■登場人物
仙波阿古十郎……甲府勤番の厄介者。仕事をほうりだして、放浪中。顎が異様に長い。
庄兵衛……叔父
捨蔵……祐堂に預けられた、将軍家定公の双子の兄弟。
祐堂……草津、小野村万年寺の和尚。
本寿院……捨蔵の母
お沢……生まれたばかりの捨蔵を預かる
水野越前……大老
村垣……お庭番
お八重……本性院の腰元

■用語集
馬丁……べっとう。馬の世話や、口取りをする人。ばてい
払子……ホッス。仏教の法要に用いる法具
御普化……中国唐代の禅僧
疝気……下腹部睾丸が腫れて痛む病
瘋癲……定まった仕事を持たずふらふらしている人
未生……この世に生を受ける前
慈眼……慈しみのこもった目
天底……額の中央
清色……澄んだ色。
敦煌……誠実で人情に厚いこと。
ぽんつく……ぼんくら。間抜け。
愁訴……つらい事情を明かして嘆き訴えること
状屋……ジョウヤ・手紙を送り届けることを生業とした
佞奸……ネイカン・悪賢くねじけている人物
強請……無理に頼むこと。ゆすること。
大望……大きな望み
塵欲……欲望が体をなやますことを塵に例えて云う
てんぼう……けがなどで、指や手がないこと
いざり……足が不自由なこと
じんじんばしょり……着物の背縫いの裾の少し上をつまんで、メンバーシップ帯の後ろの結び目の下に挟み込むこと。
褒貶……ほめることとけなすこと
忌憚……いみはばかること。えんりょすること。
公事師……江戸時代の訴訟の代行をした人
扶植……フショク・勢力や思想を植え付けること
寛闊……カンカツ・性格や気持ちがおおらかでゆったりしていること

■この動画の目次
0:00 不知森
19:08 宙吊女
26:18 女の頼み
34:11 目安箱
42:23 将軍
49:38 涎くり

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