朗読連載完結!【風雲海南記】  山本周五郎の傑作長編  朗読時代小説

新連載!【風雲海南記】山本周五郎

朗読まとめ

■あらすじ

 七才で月心寺に預けられた乙貝英三郎は、生臭坊主、鉄山の英才教育をうけ、江戸っ児も目を剥く若者に成長した。
 だが、自分の出自だけは、とんとにわからない。いったい自分は何者なのか? 自分を寺に連れてきた忠左は、次のご機嫌伺いにすべてを話すと約定するが。

 1938年(昭和13年)1月~9月 『北国新聞』連載作品。

登場人物

乙貝英三郎……川田屋に顔を出した浪人。若いが、剣の達人。
甚助……川田屋主人。通称「奴の閻魔」
お千代……夕顔の名のある、女伊達者。二十七才。
鉄山和尚……月心寺住職。英三郎を育てた。
忠左……右頬に痣のある武士。七才の英三郎を鉄山に預ける。
お通……丸菊屋友右衛門の娘。
およね……お通の乳母。

槇谷図書……伊予西条五万石の江戸家老
祖父江金次郎……図書の部下
細弦十郎……横目付け
斉藤源八郎……西条随一の剣の使い手。
藤田幾之丞……源八郎の友人。役目中闘死。
小菊……幾之丞の妹
島木打他左衛門……下屋敷年寄り
信太郎直利……西条家世継
安田与右衛門……直利の行列を止めるべく密命を帯びる。
小森道之進……与右衛門の添え役。

村井靭負……加賀百万石の次席家老。
前田綱紀……加賀四代藩主。二十二才。江戸前期の名君。

三吉……お千代のつかう、小僧。おしゃべり。
並木伝吾……斉藤、祖父江のつれ
藤巻右京……もと、西条藩の用人。お通をねらう。

一柳監物直興……西条藩、藩主だが、取り潰しとなった。

富永源右衛門……前田家小姓頭
兼松小右衛門……前田家小姓頭
種田清馬……西条藩中小姓
中川門兵衛……西条藩草履取り
杉原六左衛門……藤巻右京の実父
酔寒子……稀代の剣客
小舟……直利の世話を焼く女
布目大蔵……右京の配下
原田市蔵……右京の腹心

ドン・パードレ……宗教大学の教師。英三郎を気に入る
ウイリアム……スコットランドの貴族。殺人ウイリアムの異名をもつ。
マドレーヌ……イギリス領事館の娘

曾我与右衛門……日本人戦士隊の隊長
舞衣……遊女
藤兵衛……大橋屋あるじ
多助……下男

第一話 江戸っ児

用語集

奈良茶……奈良茶飯の略。醤油、酒で大豆などをいれた飯をたき、煎茶をそえてだした。
飯台(はんだい)……何人かが並んで食事をする台。
小刀(さすが)……腰に帯びる短刀。人を突き刺すのに用いる。
濡羽色(ぬればいろ)……水に濡れた烏の羽のような、しっとりとした黒色
七生定飛脚(しちしょうじょうびきゃく)……毎月定期に二つの地点間を行ったり来たりした飛脚。
三都往来(さんとおうらい)……江戸、京都、大坂を往来すること。
下品(げぼん)……下等なこと。
唐変木(とうへんぼく)……気の利かない人物。・物わかりの悪い人物の罵り言葉。
羽二重肌(はぶたえはだ)……羽目が細かく、色白でなめらかな肌。もち肌。
蓮葉(はすは)……女性の態度や言葉が、下品で軽はずみなこと。
半畳をいれ……歌舞伎小屋などで、自分の敷いている小さい畳を舞台に投げ入れたことから転じて、他人の言動を非難したり、からかうこと。
看経(かんきん)……読経
隆達節(りゅうたつぶし)……江戸時代に流行した小唄。近代小唄の祖。
庫裡(くり)……寺院で食事を調える建物。
室様(むろさま)……御家の殿様
以夷制夷(いいせいい)……夷を以て夷を制すの略。
深更(しんこう)……夜更け。深夜。
恐悦(きょうえつ)……非常に喜ぶこと。

 

第二話 山茶花

■用語集

汀……波打ち際。
別墅……別荘
紳商……品位を備えた一流の商人
湯帷子(ゆかたびら)……入浴の刻、または湯上がり後に着る単衣
聖天様(しょうでんさま)……大聖歓喜天の略
庭面(にわべ)……庭の表面。庭の上。
石の枕……酔い潰して、あとは枕代わりに石をあてがっておく
白蠟(はくろう)……日光にさらした木蝋。
唐物商(からものしょう)……現今の貿易商
夜中(やちゅう)……夜の間。夜間。夜分。
深窓(しんそう)……上流階級の女性の、世俗から隔離された環境のこと。
人品(じんぴん)……人としての品格。身なり顔立ち態度などを通して感じられるその人の品位。
凡下(ぼんげ)……平凡ですぐれたところのないさま。
光暈(こううん)……輝いている者の周囲にみえる、淡い光の傘。

第三話 雲影

 

■用語集

奸根(かんこん)……危険な根
通牒(つうちょう)……書面で通知すること。
推輓(すいばん)……ある地位や役職に推薦したり、引き上げたりすること。
古稀(こき)……数え年、七十才
斯道(しどう)……学問や技芸などでの、この道、この分野。
稀覯(きこう)……非常にめずらしいこと。
減封(げんぽう)……節に科した刑罰の一つで、所領、屋敷の一部などを削減すること。
巨細(こさい)……きょさい。細かく詳しいこと。
剔抉(てっけつ)……えぐりだすこと。とくに、欠点や悪事を暴き出すこと。
文墨(ぶんぼく)……詩文をつくったり、書画を書いたりすること
本復(ほんぷく)……病気が全快すること
妄動(もうどう)……分別を欠いた行動
震慄(しんりつ)……恐れ戦くこと。戦慄。
看経(かんきん)……読経
白布(はくふ)

 

第四話 雨夜の燈

■用語集

重篤(じゅうとく)……病状が非常に重いこと
伺候(しこう)……様子を見ること
胡散(うさん)……あやしいさま、不審なさま
数寄屋(すきや)……茶席、勝手、水屋などが備わった別棟の茶室
褄(つま)……長着の裾の左右両端の部分。
慄然(りつぜん)……恐れおののくさま
情痴(じょうち)……愛欲のために理性を失うこと
憂悶(ゆうもん)……思い悩み苦しむこと
鬼哭(きこく)……亡霊が浮かばれないで泣くこと。
重畳(ちょうじょう)……幾重にも重なること。または、この上もなく満足なこと。
発駕(はつが)……駕籠に乗って出発すること。または、貴人が出発すること。
悉皆(しっかい)……まるで。または、残らず。すっかり。全部。
吃急(きっきゅう)……急ぐ
廟議(びょうぎ)……評議
自裁(じさい)……自決
左足(さそく)

 

第五話 焔

 

■用語集

ずぶろく……まったくの酔っ払い
尿(しと)……おしっこ
遣り手(やりて)……妓楼で、遊女の教育監督、客との応対など、一切を切り盛りする女性
苫口(とまぐち)……菅や萱でコモのように編んだ苫で、屋根を葺いた和船の船室への出入り口
直綴(じきとつ)……腰から下に襞のある僧衣
墨染(すみぞめ)……墨染め衣の略
頭陀袋(ずだぶくろ)……僧が修行の旅をするとき、首にかける物入れ。
鉄鉢(てっぱつ)……金属製の鉢
幾らかくら……いくらにつづけて語調を強めた言葉
名号(みょうごう)……仏、菩薩の名。阿弥陀仏、南無阿弥陀仏をとくにいう
罪障(ざいしょう)……往生、成仏の妨げとなる悪い行為
網代笠(あじろがさ)……竹を薄く削ったものを網代に編んだかぶり笠
厨子(ずし)……仏像や経巻などを安置する戸棚様の仏具
嫋々(じょうじょう)……風がそよそよと吹く様。または、長くしなやかな様。
左手(ゆんで)
のっぴき……のがされること。よけること。
輾転反側……悩みや心配のため眠れず、何度も寝返りを打つこと。
遁辞(とんじ)……逃げ口上
懊苦(おうく)……悩みもだえる苦しみ
御朱引き外……江戸の府外
哀訴(あいそ)……哀願
喬木(きょうぼく)……丈の高い木
無辺際(むへんさい)……広大で果てのないこと。
納所(なっしょ)……禅宗の寺院で、金銭や米殻などの出納をするところ
中有(ちゅうう)……人が死んだ後、次の生を受けるまでの期間。または、その状態。

 

第六話 図書の死

村井靭負……加賀百万石の次席家老。
前田綱紀……加賀四代藩主。二十二才。江戸前期の名君。

■用語集

利発(りはつ)……さとく賢いこと
際会(さいかい)……重大な事件や時期にたまたまで合うこと
太物商(ふとものしょう)……綿の商品を扱う商いのこと。絹に比べ厚地であるため
不浄門(ふじょうもん)……死者罪人下肥を運び出すため、裏手にもうけたくぐり門
仮令(けりょう)……たとえば。たとい。かりに。
向後(こうご)……今から後
早打(はやうち)……馬などで、急用の使いをすること
糸道(いとみち)……三味線琴などをひく技能
膝行(しっこう)……膝頭をついて、進退すること
面謁(めんえつ)……拝謁
侍従(じじゅう)……君主の側に仕えること。その人。
嘆賞(たんしょう)……つくづく感心して褒め称えること
徳器(とっき)……才能と徳
生害(しょうがい)……自害
屠腹(とふく)……切腹。
継嗣(けいし)……あとつぎ。よつぎ。

第七話 町の風聞

■用語集

後架(こうか)……便所
金神(こんじん)……陰陽道でまつる方位の神。
兼題(けんだい)……歌会、句会などで、お題にそってつくる
説破(せっぱ)……ときふせること。言い負かすこと。
三州(さんしゅう)……三河の国。
勘考(かんこう)……よく考えること。思案。
挙措(きょそ)……立ち居振る舞い
さんぴん……三一侍の略
粗相(そそう)……不注意や軽率からのあやまち・
ちょぼ一……でたらめ、いんちき、ぺてんのこと
茶事(ちゃごと)……茶菓を供して話興じること。
天主教(てんしゅきょう)……ローマカトリックの通称
要港(ようこう)……重要な港
点綴(てんてい)……一つ一つを綴り合わせてむすびつけること。
凶手(きょうしゅ)……人を殺傷しようとする物。

 

第八話 勝者敗者

■用語集

黙過(もっか)……黙って見過ごすこと
慮外(りょがい)……思いがけないこと。また、無礼であること。
国表(くにおもて)……領国。郷里。江戸表京表に対しての言葉
歔欷(きょき)……すすり泣くこと。むせびなき
叩頭(こうとう)……おじぎすること
後事(こうじ)……あとのこと
相恩(そうおん)……主君、主家などから、代々恩義を受けていること
別辞(べつじ)……わかれのあいさつ
宿怨(しゅくえん)……かねてからの恨み。
縁辺(えんぺん)……縁故のある者。
稀代(きだい)……よにもまれなこと
覆滅(ふくめつ)……完全にほろびること
障礙(しょうげ)……さまたげること。さまだけるものや情況
潺々(せんせん)……浅い川などの水が、さらさらと流れる様
擡頭(たいとう)……頭をもたげること。勢いを増してくること
辺幅(へんぷく)……廻りから見た様子。外見。うわべ。
懇命(こんめい)……親切な心添え。
案……机
相剋(そうこく)……対立矛盾する者が相手に勝とうとすること。
養嗣子(ようしし)……家督相続人となる養子。
面色(めんしょく)……かおいろ
謫所(たくしょ)……罪を得て流された所

 

第九話 春雷

■用語集

奸策(かんさく)……人を陥れるためのはかりごと。悪巧み。
襲封(しゅうほう)……子孫または諸侯が領地を受け継ぐこと
帷幄(いあく)……策戦を立てるところ。本営。本陣。
孤雁(こがん)……群れを離れて、一羽だけでいる雁。
艱苦(かんく)……悩み苦しむこと。つらく苦しいこと。
沛然(はいぜん)……雨が勢いよく降ること

第十話 罠

■用語集

筆勢……ヒッセイ。書画にあらわれた筆の勢い。文章の勢い。筆力。
こもごも……おおくのものがいりまじっているさま
時日……ジジツ。日数。月日。
障碍……ショウゲ。さまたげ。じゃま。
鋭鋒……エイホウ。鋭い鉾先。言葉や文章による鋭い攻撃。
泉地……センチ。
甍……イラカ。屋根瓦。かわらぶきの屋根。
歔欷……キョキ。すすり泣き。むせび泣き。
冷汗……レイカン
狡獪……コウカイ。悪賢いこと。ずるく立ち回ること。狡猾。
安危……アンキ。安全であるか、危険であるかということ。
諄々……ジュンジュン。じっくりとおしえさとす。
弁疏……ベンソ。いいわけ。弁解
退身……タイシン。ある事柄から身を引くこと。
糾明……キュウメイ。罪や不正を糾問し、真相を明らかにすること。
道行……ミチユキ。道を行くこと。旅をすること。文学、演芸上の表現でもある。
花街……カガイ・遊郭。花柳街。
新造……シンゾウ。江戸時代、遊里で禿から引き込み禿となり、姉女郎につきそう若い遊女をいう。禿は、上級の遊女の使う幼女
鼬の道……鼬は、二度と同じ道を通らない習性があるということから、往来や付き合いが途絶えること。
顚倒……テントウ。本来の上下が逆になる。平静さを失い、うろたえ騒ぐ。
さし売り……ぜにさしを売り歩くこと。ぜにさしは、銭の穴に通して運搬に使うための紐
香煎……コウセン。あかごめを焦がし、山椒その他の粉末香料を混ぜた物。白湯に入れて飲んだ
引手茶屋……遊郭で、客を妓楼に案内する茶屋
浅葱裏……遊里で、江戸勤番に出てきた田舎侍をあざけって読んだ語
手管……テクダ。人をだます手段。手練。遊女などが客をたらし込む手際
絃歌……ゲンカ。三味線を弾きならし、歌を謡うこと。

 

 

第十一話 闇の声

用語集

筆勢……ヒッセイ。書画にあらわれた筆の勢い。文章の勢い。筆力。
こもごも……おおくのものがいりまじっているさま
時日……ジジツ。日数。月日。
障碍……ショウゲ。さまたげ。じゃま。
鋭鋒……エイホウ。鋭い鉾先。言葉や文章による鋭い攻撃。
泉地……センチ。
甍……イラカ。屋根瓦。かわらぶきの屋根。
歔欷……キョキ。すすり泣き。むせび泣き。
冷汗……レイカン
狡獪……コウカイ。悪賢いこと。ずるく立ち回ること。狡猾。
安危……アンキ。安全であるか、危険であるかということ。
諄々……ジュンジュン。じっくりとおしえさとす。
弁疏……ベンソ。いいわけ。弁解
退身……タイシン。ある事柄から身を引くこと。
糾明……キュウメイ。罪や不正を糾問し、真相を明らかにすること。
道行……ミチユキ。道を行くこと。旅をすること。文学、演芸上の表現でもある。
花街……カガイ・遊郭。花柳街。
新造……シンゾウ。江戸時代、遊里で禿から引き込み禿となり、姉女郎につきそう若い遊女をいう。禿は、上級の遊女の使う幼女
鼬の道……鼬は、二度と同じ道を通らない習性があるということから、往来や付き合いが途絶えること。
顚倒……テントウ。本来の上下が逆になる。平静さを失い、うろたえ騒ぐ。
さし売り……ぜにさしを売り歩くこと。ぜにさしは、銭の穴に通して運搬に使うための紐
香煎……コウセン。あかごめを焦がし、山椒その他の粉末香料を混ぜた物。白湯に入れて飲んだ
引手茶屋……遊郭で、客を妓楼に案内する茶屋
浅葱裏……遊里で、江戸勤番に出てきた田舎侍をあざけって読んだ語
手管……テクダ。人をだます手段。手練。遊女などが客をたらし込む手際
絃歌……ゲンカ。三味線を弾きならし、歌を謡うこと。

 

第十二話 波紋

用語集

蠢動……シュンドウ・虫などがうごめくこと。または、つまらないもの。力のないものなどが騒ぎ動くこと
窓外……ソウガイ
酔生夢死……スイセイムシ・なすところもなくボンヤリとして一生を終わること
よすが……身や心のよりどころとすること。便りとすること。または、身より。よるべ
嫡子……チャクシ・家督を継ぐ物
錯雑……サクザツ・錯綜
無辺祭……ムヘンサイ・広大で果てのないこと
奸策……カンサク・わるだくみ
推輓……スイバン・ある地位や役職に推薦したり、引き上げたりすること
継嗣……ケイシ・あとつぎ
気随……キズイ・気まま。
衷心……チュウシン・心の底
あやめ……物の区別。けじめ
お気もじさま……お気持ち。ご気分。きづかい。
泣訴……キュウソ・泣いて訴えること
半知……ハンチ・家臣の知行、俸禄を半分に減じたこと
宗祖……シュウソ・開祖
澎湃……ホウハイ・物事が盛んな勢いで沸き起こる様
小安……ショウアン・少し安らかなこと。小成に満足して大志のないこと
波濤……ハトウ・大波
寓居……グウキョ・仮住まい
同腹……同じ母からうまれたこと。または心を同じくすること
双生……二人の子を産むこと

第十三話 闇を見る眼

■用語集
荏苒……ジンゼン・なすことのないまま歳月が過ぎる様。物事が延び延びになる様
無根……ムコン・よりどころのないこと。根も葉もないこと。
仮寓……カグウ・仮に住むこと。借り住まい。寓居。
覆滅……フクメツ・カンゼンに滅びること。
相擁……あいよう・互いに抱き合う。抱擁し合う。
呼起……こき・呼び覚ます。
榻……トウ・中国風の腰掛け
懶惰……ランダ・なまけること。おこたること
胡座……コザ・あぐら
姿態……シタイ・からだつき
篭絡……ロウラク・巧みに手なずけて、自分の思い通りに操ること。
邪智……ジャチ・悪事に働く知恵
大猷院様……タイユウイン・家光
偸盗……チュウトウ・ぬすびと
憂国……ユウコク・国の現状や将来について心を痛めること
紫紅色……シコウショク
辺域……ヘンイキ・いなか。都を遠く離れた地方
内治……ナイチ・内政
扶植……フショク・勢力などを植え付け拡大すること
帷幄……イアク・本営。本陣
威望……イボウ・威光と人望
矮軀……ワイク・背が低いからだ

第十四話 鐘韻

■用語集
曲直……不正なことと正しいこと
式体……挨拶
口上……口頭で申し述べること。歌舞伎の舞台挨拶
跪坐……キザ・ひざまずく
欷歔……キキョ・すすり泣くこと。むせび泣き
妖異……ようい・あやしくて普通でないこと。
異見……異議、異論。
桶側胴……オケガワドウ・鎧。鉄板をはぎあわせ、桶に似るところから。
寓居……グウキョ・仮の住まい
諸声……モロゴエ・互いに声を合わせること。一緒に声を出すこと。
退口……退却の際
寛緩……カンカン・心が広くゆったりしていること。

 

第十五話 巷の風

■用語集
紙砧……紙をつくるため、コウゾ皮を木槌で叩くこと
奉書……楮紙に、白土などを混ぜてすき上げた物
お気もじ……きではじまる言葉のこと。ご気分、お気遣いなど
めまぜ……めくばせ。まばたき
錦袋円……キンタイエン・痛み止めの丸薬名
砂土……サド
三囲……ミメグリ・墨田区向島の一画の地名。
ぐれはま……ものごとの食い違うこと

塵埃……ジンアイ
窮民……生活に困っている人々。
飄乎……ヒョウコ・飄然
紛擾……紛争。
都人……みやこの人
乗馬……ジョウメ
映光……エイコウ

第十六話 夜襲

■用語集
曲直……不正なことと正しいこと
式体……挨拶
口上……口頭で申し述べること。歌舞伎の舞台挨拶
跪坐……キザ・ひざまずく
欷歔……キキョ・すすり泣くこと。むせび泣き
妖異……ようい・あやしくて普通でないこと。
異見……異議、異論。
桶側胴……オケガワドウ・鎧。鉄板をはぎあわせ、桶に似るところから。
寓居……グウキョ・仮の住まい
諸声……モロゴエ・互いに声を合わせること。一緒に声を出すこと。
退口……退却の際
寛緩……カンカン・心が広くゆったりしていること。

 

第十七話 年代記抄/第十八話 海港市

 

 

第十九話 決闘

■用語集
黙契……無言の内に合意がなりたつこと
陋劣……いやしく軽蔑すべきであること。卑劣。
紛擾……もめること。紛争。紛糾。
扶植……勢力などを植え付け、拡大すること
好便……コウビン・都合の良い便り、よいついで。
侍僕……ジボク・目上の人に仕えるしもべ
拱手……キョウシュ・中国の敬礼。
馭者……馬車の操作手
墻壁……ショウヘキ・垣根と壁
優艶……ユウエン・やさしくしとやかなこと。艶やかで美しいこと。
晩禱……バントウ・晩の公祈祷
怯懦……キョウダ・臆病で意志が弱いこと。
俚諺……リゲン・ことわざ
ジャンク……中国の伝統的な木造船。
捧持……ホウジ・ささげてもつこと
志操……シソウ・自分の主義や主張などを固く守って変えない心
舷門……ゲンモン・船への出入り口

第二十話 密使  第二十一話 雲動く

■呂宋略誌
慴伏……勢いに怖れてひれ伏すこと
惨害……むごたらしい災害
直航……直接目的地に航行すること
腹蔵……本心を隠して表に出さないこと
讒ぶ……事実でないことをいいたてて、他人をそしること
唇辺……しんぺん
剛腹……度量が大きいこと
轎上……かごのうえ
夷族……外国人
鴻毛……きわめて軽いことのたとえ
走狗……ソウク・人の手先に使われるもの
復辟……退位した君主がふたたび帝位に就くこと

■無明の道
索漠……サクバク・荒涼として気の滅入る様
快癒……全快。本復
老耄……おいぼれること
問罪……罪を問いただすこと
山鹿素行……朱子学を批判し、赤穂に流される

 

第二十二話 呂宗略誌  第二十三話 無灯の道

■呂宋略誌
慴伏……勢いに怖れてひれ伏すこと
惨害……むごたらしい災害
直航……直接目的地に航行すること
腹蔵……本心を隠して表に出さないこと
讒ぶ……事実でないことをいいたてて、他人をそしること
唇辺……しんぺん
剛腹……度量が大きいこと
轎上……かごのうえ
夷族……外国人
鴻毛……きわめて軽いことのたとえ
走狗……ソウク・人の手先に使われるもの
復辟……退位した君主がふたたび帝位に就くこと

■無明の道
索漠……サクバク・荒涼として気の滅入る様
快癒……全快。本復
老耄……おいぼれること
問罪……罪を問いただすこと
山鹿素行……朱子学を批判し、赤穂に流される

第二十四話 帰雁の譜

■用語集
回向……死者の成仏を祈ること
掌上……ショウジョウ
犀利……サイリ・才知が鋭く、物を見る眼が正確である様
魯鈍……ロドン・愚かで頭の働きが鈍いこと。愚鈍
発心……あることをしようと思い立つこと
庵室……いおり

 

 

 

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