新型コロナと、パンデミックの歴史

 人類の歴史上、パンデミックは、何度も起こってきました。
 今回は、歴史的に散見されるパンデミック、およびその意味について考えていきたいと思います。
 パンデミックは、世界的大流行、という意味ですが、類似する言葉が多くあり、それぞれの意味を知らないと混乱することと思います。

 まず最初に使われるのが「アウトブレイク」で、映画のタイトルなどにもなっているので、お聞き及びの方も多いと思います。狭い範囲内で、疫病が急増することをさし、中国の武漢で最初におこったのがこれです。

 アウトブレイクが段階をこえ、武漢から、中国全土に広がってしまった――これを「エピデミック」といいます。最初押さえ込んでいたコミュニティの外に出てしまった場合です。このエピデミックが、ついに国境を越え、世界中で猛威をふるいだす――これが現在テレビなどで耳にする「パンデミック」の状況です。

 我々は、アウトブレイク、エピデミック、という段階をこえて、パンデミックの危機のただ中にいる、と考えていいでしょう。一刻も早い収束を願いますが、

 ちなみにクラスターは、集団を指す言葉ですが、今回は、感染者の集団を指す言葉として、用いられているようです。単一の感染者から、複数人に広がっていく――その集団がクラスターと呼ばれています。まずは、このクラスターを出さないことですね。

人類が経験したパンデミックの数々

天然痘

 感染症としては、人類が唯一根絶に成功しました。その起源は、紀元前から見られ、エジプトのミイラにも痕跡が残っています。日本では六世紀から、流行が起こり、以降は周期的なパンデミックが見られています。
 15世紀になると、コロンブスにより、新大陸などに持ち込まれ、免疫のない原住民に壊滅的な被害を出しています。根絶宣言がだされたのは、1980年のことです。

ペスト

 黒死病とも呼ばれた恐ろしい病で、540年ごろ、コンスタンチノープルに広がります。一日一万人の死者が出たとされ、当時の悲惨な状況が伝わります。
 14世紀にヨーロッパで大流行し、この時黒死病と呼ばれ、畏れられました。2500万人が死亡したと言われ、これは当時の人口の三分の一に当たるそうです。

新型インフルエンザ

スペインかぜ

 1918年。第一次大戦中に流行。当時の社会情勢と相まって大きな被害を出しました。4000万人以上が亡くなったとされています。当時の人口は、18億人。

アジアかぜ

 1957年。犠牲者数、200万人以上。

香港かぜ

 1968年。100万人以上。

 2009年。新型インフルエンザ。世界の214カ国・地域で感染を確認、1万8449人の死亡者(WHO、2010年8月1日時点)

 こうしてみると、時代を追うごとに犠牲者は、減っていることがわかります。原因や治療法が確立されていなかった時代は、とてつもない被害数となっています。対処方法が確立された19世紀後半からは、ようやくパンデミックへの対応が可能となったと癒えるのではないでしょうか?

新興感染症

 一方で、1970年以降、今まで人類が経験したことのない新しい疫病が登場します。これを、「新興感染症」といいます。エイズ、鳥インフルエンザ。SARSが、これに当たります。エイズでは、6500万人以上が感染し、2500万人以上が死亡したと言われています。

再興感染症

 また、一時はみられなくなっていたものの、最近になって再び猛威をふるう、「再興感染症」も問題となっています。結核や、マラリアのことで、結核は、世界20億人が感染、毎年400万人が死亡。1950年から抗生物質で減少していたはずですが、抗生物質に耐性のある結核菌が登場し、大きな問題となっています。

新型コロナの危険性

 インフルエンザは、何百万人も罹患しますが、致死率でみると、0.1パーセントほどです。SARSでは、これが10パーセントに上がりましたが、確認されている感染者数は、8000例ほどでした。新型コロナは、SARS以上の広がりを見せ、致死率はインフルエンザを上回っています。約2パーセントといわれています。だからこそ、日本では感染、死亡者が少ないなどと油断してはいけないのです。人類は、パンデミックをコントロールできた試しはないのですから。
 

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