【木曜山本周五郎アワー】『紀伊快男児』朗読時代小説  読み手七味春五郎  発行元丸竹書房

高田牧之助は文武に通じ、藩主頼信からの信頼もあつい侍だった。が、最近では人が変わったように鈍重になっている。
 頼信は豊家の侍たちを高禄でかかえ、旧家臣と新参との間で軋轢が起こっていた。牧之助は、新参の半九郎ともめた下り、土下座をしてあやまったことで、紛糾をまきおこしてしまう。
 豹といわれた牧之助に、いったい何が起こったのか。果たして、牧之助の真意とは?
1940年(昭和15年)12月『講談雑誌』に寄稿された、山本周五郎、若き日の好短編。

■登場人物
高田牧之助……文武両道の侍で、怒ると「豹」になるといわれた男だが、最近は人が変わったと噂されている。
長瀬吉右衛門……藩の中老
佐和……牧之助の許嫁。吉右衛門の娘。
長瀬吉之丞……佐和の兄で、牧之助の親友
大崎半九郎……藩の新参で、二十人力といわれる勇猛な侍。鬼九郎
大崎玄蕃……半九郎の叔父。歴戦の勇士で、福島正則の元家来。
村上彦右衛門……福島家家臣。主家改易につき、大崎、真鍋とともに、に仕える。
真鍋五郎右衛門……同上
辺木五郎兵衛……藩の若侍たちの異見をまとめようとする。

■用語集
怒号……大声で怒鳴ること
下郎……人に召し使われている身分の低い男。
庭上……テイジョウ・庭先
粗忽……軽はずみなこと。そそっかしいこと。そそう。
諸士……多くの侍
喪家……ソウカ・不幸のあった家。喪中の家
擡頭……タイトウ・勢いを増してくること。頭をもたげること
好悪……好き嫌い
衆望……大勢から寄せられる期待と信頼
恩命……オンメイ・情けあるご命令
不惜身命……仏教の用語。死をもいとわない決意
過当……適当な程度を越えていること
埋草……マイソウ・ウメクサ・城を攻めるとき、敵の城の溝堀を埋めるための草
安居……気楽にのんびり暮らすこと
率然……だしぬけ。突然
馳駆……馬を走らせること。走り回ること。あれこれと力を尽くすこと。奔走

■この動画の目次
0:00 一
5:51 二
11:40 三
17:39 四
22:44 五
29:25 六
35:34 七

 

 

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