【文豪を朗読!】吉川英治 宮本武蔵の巻 

国民的作家、吉川英治の代表作!

 主人公自体が著名人! もっとも売れた日本人作家といえば、この人の五輪書です。世界でもっとも売れた本は、聖書ですが。

国民的文学作家――吉川英治はこう呼ばれた。非常に広範な読者を獲得した人で、そんな吉川の代表作がご存じ「宮本武蔵!」
 1892年〈明治25年〉に生まれた吉川英治が、かの剣豪を文学世界にとびこませたのは、1935年(昭和10年)のこと!
 ちなみに筆名の吉川英治は、本名の吉川 英次(ひでつぐ)を新聞社が誤植して、掲載してしまったことからきている。本人はこれが気に入ったらしい。
 吉川が宮本武蔵に着想したころ、この男はすでに人気作家となっており、巨額の印税も手にしていた。ところが、清貧の時代から苦楽をともにした妻はこの変化について行けずヒステリー起こすようになり、吉川は家出をするなど、けして順風満帆であったわけではない。
 そんな中書かれた剣禅一如に邁進する武蔵の姿は、当時の大衆にうけ、新聞史上空前のヒット作にのし上がった……!
 時代は太平洋戦争のまっただ中! そんな時代のうねりの中で描き出された剣豪宮本武蔵の物語が面白くないわけがない!
 というわけで、まずは地の巻より、随時お届けいたします。
 いずれ、ひとまとめにする予定ですが、しばしお付き合いくださいませ。

 

地の巻

 

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■吉川英治作 宮本武蔵 -- 地の巻目次
 鈴
 毒茸
 おとし櫛
 花御堂
 野の人たち
 孫子
 縛り笛
 千年杉
 樹石問答
 三日月茶屋
 弱い武蔵
 光明蔵
 花田橋
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水の巻 上下巻

 

 

火の巻 上下巻 

 

 

 

風の巻 前編

剣禅一如をめざし、漂泊の旅を続ける宮本武蔵。

 吉岡清十郎との約定どおり、京の都にあらわれる。

 清十郎らは、一門の面子をかけて、この男を迎え撃とうとするが、武蔵はあまりに強く……

 実在の剣豪を、昭和の文豪が描ききった名作を、全文朗読中です!

 風の巻 後編 一~六巻

 

■用語種 宮本武蔵
法燈(ほうとう)……仏前にそなえる灯火。
鳥語(ちょうご)……鳥の声。
林泉(りんせん)……林や泉水を配してつくった庭園。
御斎(おとき)……仏事法会のときに出す食事。
栴檀(せんだん)……落葉高木
飛雪(ひせつ)……風に吹き飛ばされながら降る雪。
荊棘(けいきょく)……じゃまになるもの。困難の多いこと。
蕭条(しょうじょう)……ひっそりとものさびしいさま。
迦陵頻伽(かりょうびんが)……極楽浄土にいるといわれる想像上の鳥。
心耳(しんじ)……心の耳。心で聞き取ること。
慚愧(ざんき)……自分の見苦しさや過ちを反省して、深く恥じること。
具相(ぐそう)……仏身にそなわっている相好。
奉書(ほうしょ)……主人の意を受けて従者が下達する文書
役寮(やくりょう)……雲水を指導する老師のこと。
司直(しちょく)……事の是非、善悪などをさばく役職。
満腔(まんこう)……体全部
衒気紛々(げんきふんぷん)……才能学識などを見せびらかし、自慢したがる気持ち。
寸毫(すんごう)……ほんの少し
俯仰(ふぎょう)……うつむくことと、仰ぎ見ること。見回すこと。
笞(しもと)……罪人を打つのに用いた鞭。
二更(にこう)……現在の午後九時、または午後十時、から二時間のこと。
発願(ほつがん)……神仏に願をかけること。立願。願掛け。
庫裡(くり)……寺院で、食事を整える建物。
短檠(たんけい)……室内用の灯火具。
方丈(ほうじょう)……寺の中にある、住持の住居。
四顧(しこ)……四方を見回すこと。
大原女(おはらめ)……京都の大原から、たきぎや木工品をうりにくる女性。
山袴(やまばかま)……仕事用の袴。たっつけ袴。もんぺ。
旗亭(きてい)……料理屋。酒場。または旅館。
どべっつい……土でつくった竈。
惨苦(さんく)……いたましい苦しみ。ひどい苦労。
孤愁(こしゅう)……一人で物思いにふけること。また、その思い。
奴僕(ぬぼく)……下男。雑役に使われる人。
媚汁(びじゅう)……なまめかしく、いろめくこと。

緋桃(ひもも)……花が濃紅色の桃。
連理(れんり)……枝と枝が重なり、木目がつうじあうこと。また、夫婦男女の深い契りのこと。
噴飯(ふんぱん)……がまんできずに笑ってしまうこと。
碩学(せきがく)……治めた学問の広く深いこと。
招請(しょうせい)……頼んできてもらうこと。招き呼ぶこと。
忌憚(きたん)……いみはばかること。えんりょすること。
寒心(かんしん)……恐れや不安でぞっとすること。
そぞろ……なんとなく
畢生(ひっせい)……一生涯
浄行(じょうぎょう)……清浄な行い。
一毫(いちごう)……寸毫。一本の細い毛。
参進(さんしん)……神前や貴人の前に進み出ること。
清冽(せいれつ)……水などが清らかに澄んで冷たいこと。
薬餌(やくじ)……病人にとっての薬と食物。
恩愛(おんない)……おんあい。慈しみ。
比翼(ひよく)……二羽の鳥が翼を並べること。
短檠(たんけい)……室内用の灯火具。
灯心(とうしん)……行灯の芯
碧落(へきらく)……青い空。遙か遠いところ。
けんつく……荒々しく邪険にしかりつけること。またその言葉。
とき色……淡い赤色。

炊煙(すいえん)……炊事の煙
夜来(やらい)……昨夜来。または、数夜このかた
一尋(ひとひろ)……両手を広げた身の丈ほどの長さ。
牛方(うしかた)……牛飼い。牛を扱うひと。牛を使って物を運ぶ人。
ひさぐ……うる
情痴(じょうち)……愛欲のために理性を失うこと。
楼門(ろうもん)……二階作りの門。下層に屋根がないもの。
婀娜(あだ)……女性の色っぽくなまめかしいさま。
娼家(しょうか)……娼婦をおいて客を取る家
旧怨(きゅうえん)……古くからの恨み
口吻(こうふん)……物の言い方。話し方。口ぶり。
宿怨(しゅくえん)……積年のうらみ。
嫉視(しっし)……ねたみ憎む気持ちでみること。
草いきれ……草むらが夏の強い日差しを受けてハッする熱気。
一叢(ひとむら)……ひとかたまり。
一朶(いちだ)……一群れ。
翻然(ほんぜん)……ひるがえるさま。急に心をあらためること。
瀑布(ばくふ)……滝。

 

空の巻

 

 

■用語集 宮本武蔵
半里(はんみち)……一里の半分。約二キロ。はんり。
殷賑(いんしん)……活気があって賑やかなこと。繁華。
鳥目(ちょうもく)……金銭
床几(しょうぎ)……数人架けられる横長の腰掛け台。
滝津瀬(たきつせ)……滝のような急流。
淙々(そうそう)……水が音を立てて、よどみなく流れるさま。
畢竟(ひっきょう)……つまるところ
瞋恚(しんい)……怒ること。いきどおること。
雲表(うんぴょう)……雲の上。雲の外。
慚愧(ざんき)……自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること。
迷妄(めいもう)……道理がわからず、事実でないことを事実だと思い込むこと。
虚飾(きょしょく)……実質を伴わない外見だけの飾り。見え。
野馬(のうま)……野飼の馬。

倉皇(そうこう)……あわてふためくさま
鼠賊(そぞく)……こそどろ。
一叢(ひとむら)……ひとかたまり
雪渓(せっけい)……雪や氷が夏でも残っている高山の谷。
金剛不壊(こんごうふえ)……きわめて堅固で壊れないこと
田夫(でんぷ)……農夫。でんぶ。
のべつ……絶え間なくつづくさま。ひっきりなしに。
野伏り……山野に隠れ、追い剥ぎや強盗を働く、武装した民衆。

池心(ちしん)……池の真ん中
池畔(ちはん)……いけのほとり。池之端
沛然(はいぜん)……雨が勢いよく降る様
辛労(しんろう)……つらい苦労、大変な骨折りをすること
口吻(こうふん)……くちさき。物の言い方。話しぶり。
業腹(ごうはら)……ひじょうに腹が立つこと。
悪方(あくがた)……仇役
淋漓(りんり)……水汗血などが、したたり落ちる様。
喪心(そうしん)……魂が抜けたように放心すること
証印(しょういん)……証明するために捺す印。
梁(うつばり)……屋根の重みを支えるための横木

暁雲(ぎょううん)……明け方の雲
まじろぎ……まばたき
大豪(だいごう)……大富豪。または、大豪傑
畢竟(ひっきょう)……つまるところ。結局
顕現(けんげん)……ハッキリとした形で現れること
小祠(しょうし)……小さなほこら
やにわに……そのばですぐ。たちどころに。いきなり。だしぬけに
幕下(ばくか)……家来。
参籠(さんろう)……祈願のため、神社や寺院などに、ある期間こもること。
同苗(どうみょう)……同じ姓。または、同じ一族。
自若(じじゃく)……落ち着いて、心や態度に少しの乱れもないこと。
隻手の声……禅の考案の一つ。
一如(いちにょ)……一体であること。
無碍(むげ)……妨げのないこと。なにものにもとらわれないこと。
多幸(たこう)……非常に幸せなこと。

烏滸(おこ)……愚かなこと。ばかげていること。
濃藍(のうらん)……暗い藍色
樹下石上(じゅかせきじょう)……山野、路傍などに野宿すること
下向(げこう)……都から地方にいくこと。
衷情(ちゅうじょう)……うそやいつわりのない、本当の心
慚愧(ざんき)……自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること。
聳動(しょうどう)……驚かし動揺させること。怖れ動揺すること。
称揚(しょうよう)……ほめたたえること
行幸(ぎょうこう)……天皇が外出すること
御名(ぎょめい)……天皇の名。天皇の署名。
田夫(でんぷ、でんぶ)……農夫。やぼ。いなかもの
題簽(だいせん)……題名などを記して春、細長い紙片。布の場合も
乱麻(らんま)……物事の乱れた様。乱れた世の中。
臥所(ふしど)……寝床
忽然(こつねん、こつぜん)……物事の出現、消失が急な様

 

往還(おうかん)……道を行き来すること。往来。または、人などが行き来するための道。街道。
夜来(やらい)……昨夜来。また、数夜この方。
痛痒(つうよう)……精神的肉体的な苦痛
楼門(ろうもん)……二階作りの門。下層に屋根がない。
神馬(しんめ)……神社に奉納する馬
詐取(さしゅ)……金品をだまして取ること
中食(ちゅうじき)……ちゅうしょく。なかしょく。昼飯
実相(じっそう)……実際の有様。ありのままの姿。
暫時(ざんじ)……少しの間。しばらく。
鳥目(ちょもく)……銭の異称。江戸時代の銭貨が穴あきで、鳥の目に似ていたことから。
黙契(もっけい)……無言の内に合意が成り立つこと。またその合意。
閑居(かんきょ)……世俗を逃れて心静かに暮らすこと。
手すさび……ひまつぶしなどにすること
渺(びょう)……水面などが限りなく広がっている様々
蛟竜も時を得ざれば、むなしく淵に潜む……時運に恵まれず、実力を発揮できない英雄や豪傑。
雅懐(がかい)……風雅な思い。

往還……オウカン・道を行き来すること。主用な道路
旅舎……リョシャ・旅館。
下向……ゲコウ・都から地方へ行くこと
膝下……シッカ・膝のすぐ蕎麦。身に近いところ。
種々相……シュジュソウ・いろいろな姿。

 

倉皇……ソウコウ・あわてふためくさま
別当……ベットウ・本務のある者が別の職務を担当すること。転じて,専任の長官。
粗略……ソリャク・物事の扱い方などが丁寧でないこと
人品……ジンピン・人としての品格。身なり・顔立ち・態度などを通して感じられるもの
有体……アリテイ・ありのまま
頭陀袋……ズダブクロ・いろいろな物が入るような、だぶだぶした袋
傾城……ケイセイ・遊女
苦界……クガイ・遊女のつらい境遇。苦しみの多い世界
行雲流水……コウウンリュウスイ・物事に執着せず、淡々として自然の成り行きに任せて行動することのたとえ
樹下石上……ジュゲセキジョ・山野・路傍などに露宿すること
博労……バクロウ・牛馬の売り買い・仲介を生業とする人
聚楽…ジュラク・聚楽第の略
酔眼……スイガン・酒に酔って焦点の定まらない目つき
金壺眼……カナツボマナコ・おちくぼんで丸い目
遅疑……チギ・グズグズためらっていること。


搦手……カラメテ・相手の弱点。注意を払っていないところ
祐筆……ユウヒツ・文書・記録の作成をした武家の職名。
御寝……ギョシン
巨松……キョショウ
やにわに……そのばですぐ。たちどころに。いきなり。突然。だしぬけに
一骨……ヒトホネ・ちょっとした苦労。少しの努力。
町場……市街地。
にべなく……そっけがない。愛想がない。

 

目角……メカド・怒った目つき。目の端。目尻。
慴伏……ショウフク・勢いにおそれてひれ伏すこと
歩卒……ホソツ・徒歩で従軍する兵士。足軽。歩兵。
乱破……ラッパ・忍者
性骨……ショウボネ・ショウコツ・持って生まれた資質。個性。

 

蕩尽……トウジン・財産などを使い果たすこと
戸長……コチョウ。行政事務の責任者
御神灯……ゴシントウ・ミアカシ・神前に供える燈。
盃洗……酒席で、やりとりする杯を洗い注ぐための器
瀞……トロ・川の水に浸食されて出来た深い淵。流れが緩やかなところ
渺々……ビョウビョウ・水面などが限りなく広がっている様。遙かにかすんでいる様。
普門品……フモンボン・観音経

同舟……同じ船に乗り合わせること
六方者……むほうもの・江戸市中を横行した男伊達。ロッポウモノ。六方詞という特殊語をつかったとされている。
紺屋……こうや・こんや。染め物を生業とする
残肴……食べ残しの肴。酒宴の残り物。
頓狂……だしぬけに。その場にそぐわない調子外れの言動をすること
ぞめき……うかれさわぐこと。遊郭や夜店などを冷やかしながら歩くこと。ひやかし客。ぞめきの客

 

蕭々……ものさびしい。
野路……野中の道。のみち。
野末……野の外れ。野の果て。
満地……地面いっぱいに満ちていること。地上一面。
露衣風身……何事にもとらわれず、自然と一体になった境地。
魔魅……人をたぶらかす魔物。
野差刀……ノザシ
田夫野人……デンプヤジン・教養のない粗野な人。田舎者。
肥沃……土地が肥えていて、農作物がよく出来ること

夜もすがら……一晩中。よどおし。よすがら。
感奮……心に感じて奮い立つこと
惰気……だらけた気分。なまけ心。
孤愁……一人で物思いにふけること
勃然……突然
行道……仏道の修行
余恵……ヨケイ・おこぼれ
行乞……托鉢
経綸……国家の秩序をととのえ治めること。その方策
治民……人民を治めること
孜々……つとめはげむこと

小学……中国宋の時代にできた教科書。
素読……ソドク・声に出して読むこと。すよみ。
沈吟……考え込むこと。

家職……家の事務を執る人
小閑……わずかのひま
凝議……熱心に相談を重ねること
鼠賊……こそどろ
高踏的……世俗を離れて気高く身を保っているさま。独りよがりにお高くとまっているさま
捲土重来……一度失敗した物が、勢いを盛り返すこと
火光……焔が出す光
惨害……むごたらしい災害
長柄……柄の長い武具や器具
麻幹……オガラ
喪心……気絶。放心。

伐木……樹木を切り倒すこと
余光……先人のおかげ
近侍……主君の側に仕えること。近習。
礼拝……ライハイ・神仏を敬って拝むこと。
総角……アゲマキ・古代の少年の髪の結い方
慈父……ジフ・慈しみ深い父親
相克……ソウコク・矛盾する二つの者が相争うこと
法網……ホウモウ・法律という網
隔世……カクセイ・時代が違うこと
面謁……拝謁
宿望……かねて抱いていた望み
博労……牛馬の売り買い、仲介をする人
高足……高弟

博労……牛馬の売り飼い仲介をする人
豆蔵……非常に体の小さい男
御託……偉そうに言い立てること
突兀……とっこつ・高く突き出ているさま
重代……先祖代々伝わること
昂然……意気の盛んなさま
過言……言い間違い。言い過ぎ。
禁裏……皇居
御剣……ぎょけん
煩悶……苦しみもだえること
手すさび……ひまつぶしなどにすること

渺……はるかにかすんでいるさま。
木挽き……コビキ・木材を大鋸をつかって引き切ること。またその職業
手斧……チョウナ・大工道具の一つ。
征矢……そや・戦闘に用いる矢
被衣……かづき・かぶること。かぶりもの。
里俗……リゾク・伊奈かびていること。鄙俗

二天の巻

■登場人物
宮本武蔵……ご存知五輪書を書き上げた剣聖の、若き姿。剣の秘奥を求めて放浪を続ける
伊織……武蔵の弟子
北条新蔵……小幡の門下
北条安房守……新蔵の父。北条流軍学の宗家
宗彭沢庵……武蔵を度々導く禅坊主
柳生宗矩……江戸柳生の総帥
本位田又八……武蔵の幼なじみ。今はうらぶれて、江戸のスイカ売りに身を落とす
奈良屋大蔵……質屋をしている篤志家だが、その正体は……
お甲……祇園藤次の妻。武蔵と因縁がある。
朱実……元はお甲と暮らしていた娘。
お通……武蔵、又八の幼なじみ
宍戸梅軒……鎖鎌の達人。辻風曲馬の弟
祇園藤次……元は京、吉岡流の高弟
夢想権之助……棒術の達人。武蔵と試合したことがある。
城太郎……元、武蔵の弟子。今は大蔵につかえる
青木丹左衛門……城太郎の父。侍だったが、今は薦僧をしている
徳川秀忠……第二代将軍

峻厳……非常に厳しいこと
経書……儒教の経典
口吻……口ぶり
藩屏……王家を守護する者。垣根
あたら……惜しくも。残念なことに
団欒……マドイ・集まって車座に座ること
喧伝……盛んにはやして世間に広く知らせること
暗愚……物事の是非を判断する力がなく愚かなこと
弓場……ユバ・弓の練習をするところ
赤門……アカモン・朱塗りの門。御守殿門
寺門……ジモン・寺の門。または寺そのもの
扶植……フショク・勢力などを植え付け拡大すること
懶惰……ランダ・なまけることおこたること
出色……シュッショク・他より目立って優れていること
鮮紅……センコウ・鮮やかなくれない
軒端……ノキバ
饗膳……ごちそうのお膳
月毛……馬の毛色の名。葦毛でやや赤みを帯びて見える
弓手……ユンデ・弓を持つ方の手、左手。逆は馬手(メテ)
淵源……エンゲン・根源。みなもと
隠士……インシ・俗世を離れて静かな生活をしている人
君側……クンソク・君主の側。君辺
使嗾……シソウ・指図してそそのかすこと
鋒鋩……ホウボウ・刃物の切っ先。相手を追求する厳しい気質
情誼……ジョウギ・人と付き合う上での人情や、誠意
有徳……ウトク・徳行の優れていること。また富み栄えること
壮志……さかんな志
薄志弱行……意志が弱く、実行力に乏しいこと
無聊……ブリョウ・退屈なこと。気が晴れないこと
渋団扇……表面に柿渋を塗った、じょうぶで実用的なうちわ
開鑿……カイサク・土地を切り開いて道路や運河などを通すこと

 

■用語集
地相……チソウ・土地の有様
草庵……ソウアン・草で屋根を葺いた粗末で小さい家。
神代……カミヨ・神が納めていたという時代
乱麻……ランマ・物事のもつれたさま、乱れた世の中のたとえ。
野末……ノズエ・野の果て
余映……残光
鏘然……ショウゼン・金石の鳴り響くさま
霓裳羽衣……ゲイショウウイ・唐の玄宗が天人に習ったと伝えられる楽曲
乱離……ランリ・国が乱れて人々が離散すること
紙燭……シショク・室内用の照明具。松の木を長さ45センチ太さ1センチの棒状にして、手元を紙屋紙でまいた。紙や布を細くひねって、油をしみこませたものもある
火灯口……カトウグチ・火灯形の出入り口
木履……ボクリ下駄。足駄。
下向……ゲコウ・都から地方に行くこと
悟入……ゴニュウ・悟りの境地に入ること
聴聞……チョウモン・説教演説などを耳を傾けて聞くこと
所為……ショイ・振る舞い
鼎立……テイリツ・三者が互いに対立すること
大宗……タイソウ・ある分野での権威ある大家
柳営……リュウエイ・幕府

 

 

■用語集
軽捷……ケイショウ・身軽で素早いこと
狭隘……キョウアイ・面積が狭くゆとりがないこと。
暁暗……ギョウアン・夜明け前の暗いころ
利鎌……よく切れる鎌
右手……メテ
漸次……ゼンジ・しだいに。だんだんに
天佑……天の助け
はしなく……思いがけなく。
熱閙……ネットウ・人が混み合って騒がしいこと
捕吏……ホリ・罪人を召し捕る役人
獄舎……牢獄
匪賊……ヒゾク・徒党を組んで、略奪、殺人などを行う盗賊
久闊……キュウカツ・久しく合わないこと
愛育……かわいがって育てること
清澄……セイチョウ・澄み切っていて清らかなこと
慚愧……ザンキ・自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること
蕭条……ショウジョウ・ひっそりと物寂しい様
晩鐘……バンショウ・夕方にならす寺院などの鐘
滅失……滅んでなくなること
法悦……仏の教えを聞き、それを信じることによって心にわく喜び
神祇……シンギ・神々
俯仰……フギョウ・うつむくこと仰ぎ見ること
隠忍……インニン・苦しみを心中に隠して耐え忍ぶこと
獄窓……牢獄の窓。獄中
夜もすがら……夜通し
さはいえ……そうはいうものの
讒訴……ザンソ・他人を陥れようとして、事実を曲げて言いつけること

■用語集
諮問……シモン・意見を求めること
遺孤……イコ・遺児
手斧……チョウナ・大工道具。荒削りした木材を平らにするのに、用いた
曲がり尺……マガリガネ・さしがね。かねじゃく。L字の定規
蒲柳……ホリュウ・川柳の別名で、体質がひ弱なこと
使嗾……シソウ・指図してそそのかすこと
千載……センザイ・長い年月
刎頸……フンケイ・首を切られても悔いのないほど。生死を共にする親しい交際
大逆……君主や親を殺す罪
慚愧……ザンキ・心に深くはじること
終日……ヒネモス
月余……ゲツヨ・一月以上
属目……ショクモク・今後を、関心期待をもっと見守ること
別辞……ベツジ・別れの言葉
今道心……イマドウシン・仏門に入ったばかりの者
屠所……トショ・家畜を殺して処理するところ
威令……イレイ・権威のある命令
刑吏……ケイリ・刑を執行する人
妖冶……ヨウヤ・なまめかしく美しいこと
文飾……ブンショク・文章を飾ること
畢生……ヒッセイ・一生涯
せんかん……さらさらと水のながれるさま
憂悶……ユウモン・思い悩み、苦しむこと
経綸……ケイリン・国家の秩序をととのえ納めること
心操……シンソウ・こころがけ
貴顕……キケン・身分が高く、名声のあること
筆触……ヒッショク
丹心……タンシン・まごころ
螺鈿……ラデン・伝統工芸に用いられる装飾技法のこと
讒訴……ザンソ・他人を陥れようとして、事実を曲げて言いつけること
豁然……カツゼン・視野が大きく開けるさま。心の迷いや疑いが消えるさま
御諚……ゴジョウ・貴人主君の命令
翕然……キュウゼン・多くの者が一つに集まり合うさま
一朶……イチダ・ひとむれ

円明の巻

■登場人物
宮本武蔵……ご存知五輪書を書き上げた剣聖の、若き姿。剣の秘奥を求めて放浪を続ける
お通……武蔵、又八の幼なじみ
本位田又八……武蔵の幼なじみ。今はうらぶれて、江戸のスイカ売りに身を落とす
伊織……武蔵の弟子
夢想権之助……棒術の達人。武蔵と試合したことがある。
城太郎……元、武蔵の弟子。今は大蔵につかえる
柳生石舟斎……柳生新陰流の開祖
柳生兵庫……石舟齊の孫
木村助九郎……石舟齊の高弟
丑之助……のちの荒木又左衛門
寅蔵……元浜田虎之助。小野派の剣士
本阿弥光悦……京における刀剣の権威
妙秀……光悦の母
林鐘坊……鳥海弁蔵。幸村の配下
杉蔵……弁蔵の手下
源助……弁蔵の手下
長岡佐渡……細川忠利の老臣
縫殿介……佐渡の家来。ぬいのすけ
真田左右衛門之介幸村……戦国武将。今は月叟と名乗る
真田大助……幸村の子息
小林太郎左衛門……廻船問屋の主で、伊織をやとう
お勢……太郎左衛門の妻
お鶴……お勢の娘。伊織を拾う。
佐兵衛……小林の老番頭。
万兵衛……飾磨の染屋
お吟……武蔵の姉
辰之介……佐々木巌流の弟子
天弓……巌流の鷹
お光……巌流の女中
一ノ宮源八……小次郎の同門
内海孫兵衛丞……無二斎の親友
香山半太夫……作州の浪人で、今は小倉に仕える。
井戸亀右衛門丞……同上
船曳沐右衛門丞……同上
木南加賀四郎……同上
安積八弥太……同上

■用語集
南枝……ナンシ
宗祖……ソウソ・開祖。祖師
淵叢……エンソウ・物の集まるところ。活動の中心。
鍾愛……ショウアイ・大切にしてかわいがること
奥旨……オウシ・奥義
粗葉……人にすすめるときにへりくだっていう
没取……ボッシュ・財産などを取り上げること
入部……ニュウブ・入府。任国や領地に入ること
山家……ヤマガ・山中にある家
藁苞……ワラヅト・藁を束ね、中へ物を包むようにしたもの。その藁で包んだ土産物、贈り物を云うことも
搦手……カラメテ・城や砦の裏門。また、相手の弱点を云うことも
被衣……カツギ・かぶりもの
御見……ギョケン・お目に掛かること。
清廉……セイレン・心が清らかで私欲がないこと
賜暇……シカ・官吏が願い出て休暇を許可されること
聘……ヘイ・礼を尽くして人を招く
駅逓……エキテイ・宿場から宿場へ荷物を送り届けること
笈……オイ・修験者などが、仏具衣服食器などを収めて背に負う箱
韜晦……トウカイ・自分の本心や才能・地位などを包み隠すこと

兜巾……トキン・山伏がかぶる小さな頭巾

 

■用語集
貧賤……ヒンセン・貧しくて身分が低いこと
杜氏……トウジ・酒造りの職人の長
法城……仏法用語だが、堅固の城に対してもいう。
世上……世の中、世間
山巒……サンラン・山。山岳
七堂伽藍……寺院の堂宇の規模。型どおり、七つの建物が完備していること
払子……ホッス・高僧がもちいる法具
堂下……ドウカ
軒端……ノキバ・軒口
坊舎……ボウシャ・寺院内の僧の住むところ
金堂……コンドウ・本堂
水煙……スイエン・塔の火炎状の装飾金具
薄暮……ハクボ・夕暮れ
老尼……ロウニ・年を取った尼
参籠……サンロウ・祈願のため、神社や寺院にこもること
雑人……ゾウニン・身分の低い人
ひねもす……終日
烏滸……おこ・愚かなこと
鬱懐……フッカイ・心配事などで晴れ晴れとしない思い
至情……シジョウ・この上なく深い心。真心
四顧……シコ・四方をみまわすこと
戒刀……カイトウ・僧が魔障を防ぐために身につける刀
帰一……キイツ・別々の事柄が同一の者に帰着すること
とむね……驚いてドキドキする胸
鼠族……ソゾク・こそどろ
詭計……キケイ・人をだまし、陥れようとする計略
徒輩……トハイ・やから。ともがら
通牒……ツウチョウ・書面で通知すること
陥穽……カンセイ・わな
迦陵頻伽……カリョウビンガ・極楽浄土にいるという想像上の鳥
差し料……自分が腰に差すための刀
供人……テモビト・従者
外院……ゲイン・中心の外側の建物・区画
迷悟……メイゴ・迷いと悟り
閑雅……カンガ・景色などが、趣深いこと
茅屋……ボウオク・茅葺き屋根や、家
端居……ハシイ・家の端近くに出ていること
老台……ロウダイ・老人や年長者をおもんばかっていう。
追懐……ツイカイ・なつかしむこと
荒蕪……コウブ・土地が荒れて、雑草の茂るがママになっていること
旗幟……キシ・主義主張
遺狐……イコ・遺児
嘱目……ショクモク・将来への期待
御寮人……ゴリョウニン・女性に対する敬称
軽子……担ぎ人足

■用語集
行旅……コウリョ・旅
梱……コウリ・竹などで編んだ箱形の物入れ
舳……ミヨシ・ヘサキ
悉皆……シッカイ・残らず
井水……セイスイ・井戸の水
返報……ヘンポウ・恨みにたいして仕返しすること

■用語集
潮路……海流の流れる道
断獄……ダンゴク・断罪。死罪
閻王……エンオウ・閻魔大王
人中……ジンチュウ・ひとなか。
陸路……クガジ
悲涙……ヒルイ
夜来……ヤライ・数夜この方
無慮……ムリョ・おおよそ
衷情……チュウジョウ・ほんとうの心
孜々……シシ・熱心につとめはげむさま
懶惰……ランダ・なまけるおこたること
宿世……スクセ・宿怨
苫……トマ・和船につかう覆い
夕星……ゆうずつ

■用語集
印可……インカ・極意を得た物に与えた印
狭小……キョウショウ・狭くて小さいこと
過賞……カショウ・ほめすぎること
旅舎……リョシャ・旅館
漁舟……ギョシュウ
胴乱……ドウラン・四角の袋。川または銅製
刀自……トジ・年配の女性に敬意をこめてよぶ
曠世……コウセイ・稀代。世にまれなこと
無音……ブイン・久しく便りをしないこと
好誼……コウギ・こころのこもった付き合い
露命……ロメイ・露のようなはかない命のこと
衆口……シュウコウ・多くの人の言うところ。世間の評判
仁慈……ジンジ・思いやりがあり、情け深いこと
浮説……フセツ・うわさ
懇篤……コントク・懇切丁寧、心がこもること
潮音……チョウオン
猩猩緋……やや青みを帯びたあざやかな深紅色
腰間……ヨウカン
豊頬……ホウキョウ・ふっくらした頬
舳……ミヨシ・舟の先
惰気……ダキ・なまけ心
匠気……しょうき・好評を得ようとする気持ち
蕭殺……ショウサツ・物寂しい様
炬……キョ・たいまつ、篝火
全姿……ゼンシ・全容
天佑……天の助け
愛執……愛着

 

 

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