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『おたふく 三部作〖妹の縁談/湯治/おたふく〗(再録)』山本周五郎【作業・睡眠用朗読】 読み手七味春五郎  発行元丸竹書房

山本周五郎の傑作短編集! 
杵屋勘志津-こと、おしずの、愛と悲しみと根性の物語。
ちなみに書かれた年代は、最後のおたふくが最も古く、1949年(昭和24年)4月 『講談雑誌』に、発表されました。
 作中の年代としては、妹の縁談が最初に来るのですが、これは1950年(昭和25年)8月 『婦人倶楽部秋の増刊号』に発表。
 湯治は、妹の縁談の後日談。おたかの、結納が迫る中、どうも半幕府的活動をしているらしい兄貴の栄二が、もめごとを抱えておしずに手紙をよこしてくる。おしずは、一人で難題をかかえて、妹の結婚を無事トゲさせてやろうと奔走するが……というお話で、
 1951年(昭和26年)3月 『講談倶楽部』発表。
 
 おたふくは、この四年後になる物語。姉妹の母は、妹が結婚した年に亡くなったようで、父親の新七も故人。おしずは、一人家に残って、そして今も貞二朗を思い続けている。そんな行かず後家となったおしずの元に、思いがけぬ幸運が舞い込んでくるが。聴くとみんなが幸せになれる物語、おしず三部作。ご視聴ください。

※おたふくのモデル
 おたふく物語——としてなんども映像化演劇化された本作ですが、そのモデルは周五郎の二番目のおくさん、「きん」さんです。このきんさんは、五人兄弟。妹に八重子という人がいて、すぐ上の兄、三男が共産主義活動にはまって、父親がいくども憲兵に呼ばれたり、家族が肩身の狭い思いをしていたのも、そのまんまです。父親の吉村八十八が金助町で飾り職をしていたのも同じ。主義者の妹だ、と後ろ指をさされて、縁談もなくなった、というのもお話のままで、次兄は両親の面倒もみない(長男は三十二才で病死)結果、妹ときんさんとで、親を養うことになる。行き遅れのまま、三十八という年になる。
 先の事情で金助町に居づらくなった一家は引っ越しをするわけですが、その筋向かいに周五郎一家がすんでいたわけで。

 このきんさんは、周五郎の小説にはさほど関心がなかったらしく、あるとき髪結いにいって、だれが作者なのかも知らずに読んだ小説がわりと面白かった。うちに帰って、そのことを主人に話すと、周五郎は「」かあさん、そりゃ、ぼくの書いた小説だよ」とうれしそうに言う。
 このように、小説と現実のきんさん一家はすべてが同じでないにしろ、かなりのエッセンスがまじっているのはまちがいない。

 周五郎先生、あるとき奥さんのきんべえに、こんなことを言った。
「ぼくがさきに死んだら、一字一字大切に読んでくれ。だいたいの小説に、かあさんのことがでてくるから」

 山本周五郎が、きんべえへのあふれる愛をこめた小説「おたふく」
 お聴きください。

■登場人物
おしず……杵屋勘志津。長唄の師匠。兄のために婚期を逃した姉妹。妹の結婚話が持ち上がったので。
おたか……おしずの妹。喧嘩もするが、姉思い。仕立屋勤め。
新七……おしずの父。
いく……おしずの母。
伊吉……おしずの兄。縫箔職人。
栄二……おしずの次兄。ぐれて世直し活動をしている。

貞二郎……彫金師。おしずが密かに想っている相手。

杵屋勘斎……おしずの師匠。
勘右衛門……勘斎の息子。
神谷市兵衛……花屋。
絹女……市兵衛の女房。生華の師匠。
とき……絹の家の女中。
源次郎……差配。
友吉……綿問屋「信濃屋」の息子。おたかを好いている。
和吉……友吉の父。「信濃屋」の主人。
てつ……友吉の母。
仁左衛門……木綿問屋「鶴村」の主人。
お夏……仁左衛門の娘。
お葉……仁左衛門の女房。

島崎来助……安永の宗珉と云われるほどの彫金師。貞二郎の師匠。
おその……来助の女房。
お市……来助とおそのの娘。
横谷次兵衛……宗珉と呼ばれた昔の有名な彫金師。
平助……来助の内弟子。
銀造……来助の内弟子。
五郎吉……家主。
辰次……長屋の鋳掛け屋。
長太郎……辰次の子。

■この動画の目次
0:00 妹の縁談 一
12:49 妹の縁談 二
20:00 妹の縁談 三
29:52 妹の縁談 四
42:31 妹の縁談 五
51:44 妹の縁談 六

1:05:23 湯治 一
1:17:36 湯治 二
1:25:49 湯治 三
1:32:35 湯治 四
1:45:01 湯治 五
1:52:50 湯治 六

2:05:51 おたふく 一
2:19:06 おたふく 二
2:31:16 おたふく 三
2:43:18 おたふく 四
2:54:53 おたふく 五
3:06:28 おたふく 六
3:18:28 おたふく 七

#朗読 #時代小説 #睡眠 #作業 #bgm

 

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