ティラノサウルス

痛風こぼれ話

 贅沢病と揶揄される痛風ですが、人間のみに限った病気ではなく、しかも、大昔から存在したことが確認されている、歴史ある(?)病なのです。

 確認された最古の痛風というのは、6500万年前を生きた恐竜。

 1997年、カナダで発見されたティラノサウルスの化石には、足の指に損傷が見られました。その傷は放射線鑑定によって痛風によるものと確認されます。原因は、過度な肉食。肉食恐竜ならではの赤身肉などの高プリン食の摂取が原因とされています。

 このほか、痛風にかかる動物は、トカゲや亀、ワニ類などなど。

 一方で肉食の代表、ライオンなどは痛風になりません。

 プリン体は最終的に、尿酸へと変化するのですが、排泄しきれなくなった尿酸が、結晶となって関節にたまり、痛風の症状がひきおこされます。

 けれど、霊長類以外の哺乳類は、尿酸をウリカーゼという酵素で酸化、水溶性の高いアラントインという物質にまで分解できるのです。つまり、ライオンはウリカーゼという酵素を保有しているので、痛風にはならないというわけであります。

 太古にはヒトもウリカーゼを保有していたといわれています。進化の過程で失われたのは、残念ですが、どこかで、食生活が激変して、ウリカーゼを必要としない時代が続いたのかもしれませんね。危険な借りを行わなくても、十分食事がまかなえる環境だったとか――?しかし、そうなると、肉食であった恐竜がウリカーゼを保有しようとしなかったのは不思議。

 

 痛風の歴史は古く、紀元前から確認されています。エジプトのミイラにも痕跡が残っているんですよ!

アレクサンダ-大王、フランスのルイ十四世、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、天才物理学者ニュ-トン、生物学者ダ-ウィンと西洋人はお盛んですな。

 一方で、日本では明治以前にはないとされたていました。安土桃山時代、日本を探訪したルイス・フロイスは(宣教師)、日本人には痛風がないと記録しています。明治のはじめにも、ドイツ人医師ベルツが同じ記録を残しています。 痛風が確認されるのは明治になってからで、実際に増えたのは戦後、それも1960年代になってからです。食生活の変化ですね。

 人体の、尿酸は常時約1.2グラムを保有し、毎日0.7グラムが生産、0.7グラムが排泄されます。こうしてバランスをとっているので、血中の尿酸は高くても、又低くても生体にとっては好ましくないようです。人間は、遺伝子的には、ウリカーゼ(尿酸オキシダーゼ)が働けるようにはなっているそうですが、偽遺伝子化して、機能していないようですね。突然変異が原因とも言われていますが、遺伝子操作を人で行うわけにもいかず、痛風の根絶は難しそうです。

 シカゴのフィールド自然史博物館に収蔵のスーは、おそらく世界で一番ゆうめいなティラノサウルスでしょう(女性)。90パーセント以上の骨格を残し、その体積も最大(頭蓋骨は1.4メートルで、歯も大部分が残っていました。)。1997年のオークションでは、760万ドルの値がつけられました。これは、化石標本に支払われた金額の中でも、最高額を記録しています。さすが、Tレックス
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