山本周五郎の音本 「花も刀も」AudioBook 朗読七味春五郎 発行元丸竹書房  

山本周五郎『花も刀も』

花も刀も

山本 周五郎

作品・作者紹介

作者:山本 周五郎 (やまもと しゅうごろう)

1903年生まれ、山梨県出身。本名は清水三十六(しみず さとむ)。大衆文学の巨匠として知られ、その生涯で数多くの時代小説、歴史小説、現代小説を執筆した。人情の機微を深く描き、市井に生きる人々の喜びや悲しみを温かい筆致で綴った作品は、今なお多くの読者に愛されている。直木賞や毎日出版文化賞など、数々の文学賞を辞退したことでも有名。代表作に『赤ひげ診療譚』『樅ノ木は残った』『青べか物語』などがある。

作品:『花も刀も』について

本作は、剣の道一筋に生きる実直な若き剣士・平手幹太郎(後の平手深喜)の波乱に満ちた半生を描く長編時代小説。師や仲間との確執、理不尽な追放、そして貧困と孤独。次々と襲い来る苦難の中で、彼は剣の道における真の強さとは何か、そして人としてどう生きるべきかを問い続ける。剣の厳しさと、その裏にある人の情けや愛情、そして裏切りが交錯する物語は、読者を深く引き込む。周五郎作品の中でも、特に主人公の成長と葛藤が色濃く描かれた傑作の一つである。

あらすじ

実直な剣士・平手幹太郎は、年末の試合で師範代たちを次々と打ち破り、道場一の実力を示す。しかし、その強さを妬んだ師範・淵辺十左衛門によって、流儀に外れた技を使うという理不尽な理由で破門を言い渡されてしまう。

怒りに燃える幹太郎は、筆頭師範代の納屋孝之助との真剣勝負に及び、彼を打ちのめして道場を去る。故郷の父や妹への想いを胸に江戸で剣の道を志した彼だったが、一日にしてすべてを失い、あてのない流浪の身となる。

飢えと寒さで倒れたところを、気風のいい娘・お豊に救われる。彼女との関わりの中で、幹太郎は裏社会の人間たちの生き様や、ままならない人の世の現実を目の当たりにする。やがて、旧友・秋田平八の助けで伊達家下屋敷の師範の職を得るが、そこでもまた人間関係のしがらみや嫉妬が彼を襲う。

お豊との関係、故郷の家族への責任、そして剣の道への純粋な探求心。様々な想いが交錯する中、幹太郎は幾度も挫折を味わいながら、千葉周作の道場に身を寄せ、名を「深喜」と改める。彼は、技の強さだけではない、真の「強さ」を求めて、己の道を切り拓いてゆく。

本文

本文は後日掲載予定です。

本文のプレースホルダー画像

Q & A

タイトルの『花も刀も』にはどんな意味が?

「刀」が主人公・平手幹太郎の生きる剣の道、武士としての厳格な生き様を象徴する一方、「花」は人情、愛情、そして彼が出会うお豊のような女性の華やかさや危うさを象徴していると考えられます。物語は、この二つの世界の狭間で葛藤し、成長していく主人公の姿を描いており、タイトルは作品のテーマそのものを表しています。

主人公・平手幹太郎(深喜)の魅力とは?

彼の最大の魅力は、剣の道に対するどこまでも一途で純粋な心です。その純粋さゆえに世渡りが下手で、何度も理不尽な目に遭いますが、決して腐ることなく、自分の信じる道を歩み続けます。挫折を繰り返しながらも、その度に人間的な深みを増していく姿は、多くの読者の共感を呼びます。

ヒロインのお豊はどんな女性ですか?

お豊は、裏社会でたくましく生きる、気風が良く情に厚い女性です。奔放で危うい一面も持っていますが、根は純粋で、幹太郎に深い愛情を寄せます。幹太郎とは全く異なる世界に生きる彼女の存在が、物語に深みと彩りを与え、主人公が人間的に成長する上で重要な役割を果たします。

この作品から何を学べますか?

逆境に屈しない精神の強さ、そして自分の信念を貫くことの大切さを教えてくれます。また、人生は自分の思い通りにはならないこと、しかし、それでも誠実に生きることで道は開けるというメッセージが込められています。剣術を通して、人生そのものについての深い洞察を与えてくれる作品です。

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