日本語今昔物語

その一 日本人、書き言葉を手に入れるお話

 いまではすっかり定着して、国語でも、真っ先に学ぶ、ひらがな。

 かなを感じで書くと、仮名、となって、仮りの仮初めの、という意味であるそうです。そもそも日本語には、文字がなく、当然書き言葉も存在しませんでした。漢字や外来語が混ざるよりも以前。日本人が使っていた話し言葉を(大和言葉ー和語)といいます。漢字がいつごろ導入されたのか、その正確な時期はわかっておらず、2世紀から5世紀にかけて徐々に導入されたといわれています。日本書紀の記述では、応神天皇の時代(4世紀末から5世紀)となっておりますが、漢字の確認された遺物には、2世紀のものが存在します。遠い外国のものであった文字を日本語に溶け込ませて行くには、長い時間が必要だったんですね。

 外来のものを日本風にアレンジしてしまうのは、今も変わらぬお家芸ですが、漢字もその例外ではありませんでした。漢字の音と意味を駆使して、日本語の書き言葉を作り上げていきます。

 その成果が、十七条憲法や、日本書紀、古事記、万葉集となってあらわれ、今も古代の人々の努力の成果を伝えています(上代語と呼ぶらしい)。大和地方の貴族たちの言葉のほか、万葉集には東国の方言が残されています。

 こうしてできあがった日本式の漢文を、漢文訓読体というそうですが、中国や朝鮮との公文書として使われました。そしてこれは、第二次世界大戦が終わるまで、日本の公文書の書式として使われ続けたのです。

 

 

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