オーディオブック 銭形平次捕物控 【傀儡名臣】

その二 傀儡名臣

銭形の平次は、最初寛文万治の人でしたが、化政年間の人とされたり、登場年代にパラつきはあるんですが、年齢は永遠の31才。これは野村胡堂自身当時の読者につっこまれたそうです。
 住居は鰻の神田川の近所。恋女房と二人で、神田お台所町の貧乏長屋に住んでいる。ちょいと腐ったどぶ板。背後にはちんけな共同井戸。狭い路地には白犬がねそべるのがいつもの風景。住まいは六畳二間で、入り口は二畳。お静がピカピカにみがいているけれど、けっして裕福な暮らしではない。店賃がためるほどピイピイな暮らしのところへ、ガラッ八がかけこんでくるのも、いつもの風景。
 岡本綺堂の半七と同じく、

■半七捕物帳再生リスト
https://www.youtube.com/watch?v=iUobBtu-A4g&list=PLbLffmEwTDppu8wEkKJ4U1gfJyIrIuDVd

 平次も同心の私費で雇われた岡っ引きなので(平次の場合は、与力笹野新三郎)、探偵仕事の給料はわずかです。平次は貧乏なので、心付けをせびるケチな岡っ引きとはちがう正義の味方、なんでしょうね。

登場人物

平次……銭形の平次。岡っ引き。銭占いと鍋銭打ちが得意技
八五郎……ガラッ八。平次の子分。
石田清左衛門……安部家用人。
安部丹之丞……お小姓組御番頭。才物。四千五百石の大身の旗本。
綾野……丹之丞の本妻
お勝……丹之丞の妾
針目正三郎……丹之丞の遠い従兄弟。
森三……安部家につかえる小者

用語集

五つ……午前八時。辰刻
四つ……午前十時。巳刻
印形(いんぎょう)……はんこ
寸毫(すんごう)……きわめてわずかなこと。ほんの少し
勃然(ぼつぜん)……急に勢いよくおこるさま。顔色を変えて怒る。突然。
用箪笥(ようだんす)……雑物をいれる小ダンス。
驕慢(きょうまん)……おごり高ぶって、人を見下し、勝手なことをすること。
凄艶(せいえん)……ぞっとするほどなまめかしいさま。
阿呆払い……裸にしたり、しばったりして、人々に嘲られるような姿で追放すること。

平癒(へいゆ)……病気が治ること
恐悦(きょうえつ)……相手の行為などを、もったいなく思って喜ぶこと
御厨子(おずし)……厨子を敬って云う
去就(きょしゅう)……進退

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