【木曜山本周五郎アワー】『石ころ』朗読時代小説  読み手七味春五郎  発行元丸竹書房

戦場で一番槍の巧妙はたてるのに、兜首は一つもとらず、石ころだけ拾って帰る困った男、多田新蔵。
 その器量の良さと、父が高官であることで、周囲から孤立していた松尾は、新蔵の真の心は別の所にあるのではないかと勘ぐる。彼女はあらぬ噂を、よい機会に新蔵の妻となるが、夫の新蔵はどうも期待外れらしく……
 功利をえることなく、黙々と働く男の姿を描いた山本周五郎、昭和十九年の作品。

 

■登場人物
多田 新蔵……淡路守の二男で、松尾の夫。いくさで兜首を一つもあげずに、石ころだけを拾ってくるかわった男。
松 尾   ……伯耆守の娘。新蔵の妻となる。
秋山伯耆守……松尾の父武田勝頼の侍大将。
多田淡路守……武田家臣。新造の父
秋山万三郎……松尾の兄。
武田 勝頼……武田家当主。
小笠原与八郎長忠……高天神城主。
大河内源三郎……徳川家の監軍。
穴山伊豆守梅雪……武田家の武将。
高坂弾正(虎綱)……武田家の武将。
木暮 弾正 ……高天神城の守将の一人。
山県善右衛門……武田家臣。

■用語集
深窓……家の奥深いところ。上流階級の女性の、世俗から隔離された環境
驕慢……キョウマン・おごり高ぶって、人を見下すこと
玉髄……ギョクズイ・石英の結晶からできた鉱物
貴顕……キケン・身分が高く、名声のあること
監軍……軍隊を監督する役職。いくさめつけ
麾下……あることの指揮下にあること。その人
塁壁……とりで
脇壺……脇の下
出丸……本城から張り出した形に築かれた小城
郎党……主家の一族や従者
馳駆……チク・馬を走らせること。走り回ること。奔走
縹渺……ヒョウビョウ・広く果てしない様。かすかでハッキリしない様。

■この動画の目次
0:00 一
6:09 二
12:22 三
18:27 四
25:30 五
31:27 六

 

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