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1944年(昭和19年)12月 『新武道』掲載作品。
朗読ではわかりませんが、この作品、セリフ地の文の合間をつめつめで書かれています。書かれたのは、納得の昭和十九年……太平洋戦争のまっただ中……紙数もかぎられるなか、充分に表現するにはどうしたらよいか、というところで出た苦肉の策だったのでしょう。周五郎先生、苦労して書かれたんだな、と思うと、読んでいてほろりとしました。読みにくかったけど。戦後もなおさなかったのがまた、周五郎先生らしい。
■あらすじ
どんな激しい戦場でも、決して死なず、必ず生還する男――兵庫源八郎はいつか、不死身と評されるにいたった。戦国の世を飄々と戦い抜いたもののふの姿を描いた、山本周五郎、渾身の短編――
■登場人物紹介
兵庫源八郎……幾多の死線にも屈せず、必ず生還する屈強の侍。
小林 大六……源八郎の同輩だが、大六の活躍を不審に思っている。
太田助三郎……徒士組の旗がしら。源八郎の組頭としての能力を買っている。
酒井 忠次……徳川家康の部将。
織田 信長……右大臣。
■用語集
屍山血河……シザンケツガ・激しい戦闘のあった後のこと
忸怩……ジクジ・深く恥じ入ること
退き口……ノキグチ・退却の際
徒渉……トショウ・河を歩いて渡ること
葉末……はずえ・葉の末端
杣道……ソマミチ・杣人(きこり)とか通らないような、細くて険しい山道
挺進……テイシン・他の大勢に先んじて進むこと
堡塁……ホウルイ・攻撃をふせぐために構築された陣地
扈従……コジュウ・貴人に付き従うこと
究竟……クッキョウ・つまるところ。結局。
■この動画の目次
0:00 生きている源八 一
6:25 生きている源八 二
13:19 生きている源八 三
19:49 生きている源八 四
26:01 生きている源八 五
#山本周五郎 #朗読 #小説