天照大神の性別

日本書紀では、スサノオが姉とよぶ場面があります。機織り部屋で仕事をする場面もあり、一般には女神というイメージが強いと思われます。

アマテラスの別名は、オオヒルメノムチノカミ。オオは、尊称で、ムチは「高貴な者」、ヒルメは「日の女神」を表します。これ以外の別名も、女神を思わせるものがおおいのですが……

伊勢神宮では、男神をあらわすような別名も存在し、中世以降はとくにアマテラスが男神であるという説が唱えられました。武士の台頭とともに、仏信とあいまって、大日如来の化身であるとされ、男神説が支持されます。社会で男性の地位が向上していく時代です。

古事記、日本書紀が成立した時代は(7~8世紀)、女性天皇が多くいました。

男神か女神か? これは時代の影響をうけることも多かったようで、現代はどちらが指示されるのか、興味のあるところですね。

皇祖神ではなかった?

 皇祖神は、別の神様?

 農耕の神「タカミムスヒ」
 神話の初期に登場し、日本書紀では、皇祖、とよぶ場面も出てきます。この神様の娘が天照大神の息子と結婚、のちに地上に降りることになるニニギが生まれます。

 日本書紀で、天照大神は、太陽神の巫女である「オオヒルメノムチ」を名乗っています。本物の太陽神は男神で、天照大神はその巫女であった、という説もあるわけです。

 神道では、巫女は特別な存在であり、神の神託をうける霊能力者です。祭祀における影響力は絶大で、巫女の神格化が進んで、太陽神と同一視されるようになった――その結果生まれた女神が天照大神、というわけです。

 天照大神の奥には必ずタカミムスヒがおり、重大な決断も様々な神への命令も、このタカミムスヒが下しています。

 神武天皇ののもとに八咫烏を使わしたのも、タカミムスヒ。さて、高天原の実権は、どちらが握っていたのか――

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