【朗読】山本周五郎『似而非物語』【作業・睡眠用朗読】読み手七味春五郎 発行元丸竹書房

NO IMAGE
偽名人、城を救う! ■あらすじ 加賀白山谷の牛窪村へ、四十年ぶりに帰ってきた老人・杢助。 若い頃から何事にも興味を示さず、「つまらねえ」と寝ころんでばかりいた怠け者だったが、奇妙な“くる眼”の持ち主でもあった。 一方、山中には天下の剣術名人と噂される飯篠長威斎が隠棲していた。 だが名声に疲れた長威斎は、なんと杢助を自分の身代わりに仕立てあげる。 修業者たちは杢助の何気ない言葉や仕草を勝手に「奥義」と受け取り、やがて金沢城を揺るがす大事件へ。 本物とは何か。名人とは何か。 世間の思い込みと人間の見栄を、山本周五郎ならではの皮肉とユーモアで描く、痛快な滑稽時代小説です。 📚登場人物一覧 杢助 牛窪村出身の老人。通称「くる眼の杢助」。 若い頃から極端な怠け者で、何を見ても「つまらねえ」と言う。四十年ぶりに村へ戻り、なぜか剣術名人・飯篠長威斎の身代わりにされる。 弥市 牛窪村の老人。杢助の昔を知る人物。 貧相で小柄だが、よく跳ね、よく喋る。杢助の帰郷を最初に見抜く。 飯篠長威斎 天下に名高い剣術家。 名利を捨てて山中に隠棲したと称しているが、実際には自分の名声への未練が強い。修業者から逃れるため、杢助を自分の身代わりに仕立てる。 お登女さま 黒門の女主人。 黒門では代々、女主人が「お登女」を名乗る。伝説の若武者を婿に迎えるという夢を受け継いでおり、杢助にも特別な関心を寄せる。 百助 杢助の父。 息子の怠け癖を直そうとするが、杢助の「くる眼」のため厳しくできない。黒門からの密命を杢助に伝える。 こと 杢助の母。 杢助の出奔後、黒門への申し訳なさから病をこじらせて亡くなる。 五人組の娘たち 牛窪村の若い娘たち。 杢助に興味を持ち、食べ物や洗濯物を持って世話に来る。明るく奔放で、草庵の空気を賑やかにする。 一之木太郎 杢助のもとへ来た第一の修業者。 太っていて少し粗忽だが、世話役としてよく働く。 二之木二郎 第二の修業者。 真面目で神経質。娘たちの奔放さに悩むが、杢助の「牝鶏と娘」の話を奥義と受け取り、会得したと思い込む。 三之木三郎 第三の修業者。 木剣との立合いに執着する逞しい男。最後まで会得できず、吊られた木剣に悪態をついて去る。 四之木四郎 第四の修業者。 肩叩きが上手い。杢助のくしゃみを奥義と受け取り、感激して去る。 五之木五郎 第五の修業者。 吃りがあり、指を一本立てる癖がある。杢助の投げた鼻紙が顔に当たったことで、これも奥義と受け取る。 尾井幾兵衛 前田家の家臣。 金沢城の危機を救うため、杢助を飯篠長威斎と信じて迎えに来る。 岩見重太夫 天下無双を名乗る大豪傑。 金沢城で試合を迫る巨漢。杢助の「くる眼」に圧倒され、気絶して倒れる。 前田家の人々 金沢城の武士たち。 杢助を本物の剣術名人と信じ、城を救った英雄としてもてはやす。 📚用語集 似而非 「えせ」と読む。 一見それらしく見えるが、本物ではないもの。偽物、まがいものの意味。本作の主題そのものを表す言葉。 くる眼 作中では「狂い眼」のような意味。 杢助の奇妙な癖で、強い驚きや恐怖を受けると両目が別々の方向へ動き、相手を仰天させる。 白山谷 加賀国、白山方面の山深い谷。 物語の舞台。山村の閉ざされた空気と、素朴な村人たちの世界を象徴する。 手取川 加賀を流れる川。 物語冒頭、杢助が故郷へ戻る場面で印象的に描かれる。 牛窪村 杢助の故郷。 手取川沿いの山村。村人たちは出作りで暮らす勤勉な人々だが、杢助だけは怠け者として育つ。 出作り 山間地の耕作形態。 春から秋にかけて村を離れ、山中の畑小屋で暮らしながら耕作すること。 薙畑 山林を切り開いて行う焼畑・山畑に近い耕作。 牛窪村の暮らしの厳しさを示す重要な言葉。 黒門 村一番の旧家で、庄屋格の家。 代々の女主人が「お登女さま」を名乗る。村人から畏敬される存在。 お登女さま 黒門の女主人の代々の名。 若武者が迎えに来るという幻想を受け継ぎ、代々その夢に縛られている。 飯篠長威斎 作中の剣術名人。 「名利を捨てた」と言いながら、名声から離れきれない人物として描かれる。 遁世 俗世を離れて隠棲すること。 飯篠長威斎が自称する生き方だが、作中では皮肉を込めて扱われる。 武者修業 武士が武芸の腕を磨くため、諸国を巡って名人を訪ねること。 本作では、修業者たちの思い込みと滑稽さを描く装置になっている。 草庵 質素な庵。 杉谷にある飯篠長威斎の隠棲場所。のちに杢助が“先生”として住む。 奥義 武芸・芸道などの最も深い秘伝。 作中では、修業者たちが杢助の何気ない言動を勝手に奥義と解釈する。 会得 技や真理を悟り、身につけること。 二之木、四之木、五之木たちは、杢助の言葉・くしゃみ・鼻紙を会得の契機だと思い込む。 金沢城 加賀前田家の城。 終盤、岩見重太夫との試合の舞台となる。 岩見重太夫 豪傑の名として登場。 怪力と威圧感で金沢城を脅かすが、杢助の奇癖によって倒れる。 #音本 #山本周五郎 #短編 #朗読 #小説 #文学
NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!