朗読連載 【栄花物語】 山本周五郎の長編小説

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栄花物語は打ち切りにあった?

1953年(昭和28年)1月~9月 『週刊読売』に連載された長編小説です。残念なことに、連載打ち切りの憂き目にあっており、そういう意味では、1955年連載の「花も刀も」
https://www.youtube.com/watch?v=Wz3R5npkwWE
 とおなじ運命をたどった作品。
 田沼意次親子を従来の悪人ではなく、革新的な政治家として描いたもので、そういう意味では、「樅の木は残った」
https://www.youtube.com/watch?v=BzpD06qOc5M&list=PLbLffmEwTDpqUxrw0aq2KZXpGx2ysC8bX
 にも通じる作品です。

 第一話では、なにやらニヒルな旗本、青山信二郎が、世の中をななめにみながら、皮肉な笑いを浮かべております。第一話登場人物はこちら。

登場人物

■登場人物
青山 信二郎……小普請組の旗本だが、田沼を批判する文書を作成している。
河井 保之助……旗本の三男。信二郎の友人。
藤代 その子……保之助の妻になる女。
藤代 外記 ……その子の父。保之助の義父となった。
藤代 いく ……その子の母。後添い。

河井 成兵衛……保之助の父。旗本寄合職。吝嗇で河合家をたてなおす。
河井 いく ……母。
河井 信兵衛……兄。
河井 高之助……兄。
河井 しほ ……妹。
島田 義平 ……成兵衛の自堕落な弟で、家をくいつぶす。
島田 兵庫 ……成兵衛と義平の父。

おはま   ……二十二。深川の名妓。
佐野善左衛門……甘楽群(かんらごおり)奏者番を希望している。
秋廼舎 時雨……戯作者
後註門 道理……戯作者
松林坊 切句……戯作者
新庄 能登守……宗門改
田沼 意次 ……主殿頭。老中筆頭。

小宮山 伊織……小十人組組頭。
吉村 隼人 ……松平家用人
久松十郎兵衛……松平家用人
松平 定信 ……越中守
新 助   ……田舎小僧。稲葉小僧
吉 造   ……田舎小僧の手下
梅 次   ……田舎小僧の手下

第一話 月の盃

1953年(昭和28年)1月~9月 『週刊読売』に連載された長編小説です。残念なことに、連載打ち切りの憂き目にあっており、そういう意味では、1955年連載の「花も刀も」
https://www.youtube.com/watch?v=Wz3R5npkwWE
 とおなじ運命をたどった作品。
 田沼意次親子を従来の悪人ではなく、革新的な政治家として描いたもので、そういう意味では、「樅の木は残った」
https://www.youtube.com/watch?v=BzpD06qOc5M&list=PLbLffmEwTDpqUxrw0aq2KZXpGx2ysC8bX
 にも通じる作品です。

 第一話では、なにやらニヒルな旗本、青山信二郎が、世の中をななめにみながら、皮肉な笑いを浮かべております。第一話登場人物はこちら。

■登場人物
青山信二郎……小普請組の旗本だが、田沼を批判する文書を作成している。
河井保之助……旗本の三男。信二郎の友人。
藤代その子……保之助の妻になる女。

■用語集
警吏……ケイリ・警察官吏
戯作者……ゲサクシャ・戯作を生業とした人。江戸後期の通俗作家
露悪……ロアク・欠点や悪いところをわざとさらすこと
明月……メイゲツ・曇りなく澄み渡った満月。
内福……ナイフク・見かけよりも内実が豊かなこと。
運上……ウンジョウ・江戸時代の租税。金銭での納付は、運上金と呼ばれる。
砂塵……サジン・すなぼこり
あくどく……やり方や性格などがどぎつく、たちが悪い。
悲哀……ヒアイ・哀しくあわれなこと
むぐら……広い範囲の雑草
一中節……浄瑠璃の一流派。都太夫一中が創始
札差……フダサシ・旗本・御家人に支給される米の仲介をした。蔵米を担保に金融業も。
名妓……歌舞などにすぐれた芸者
こちのひと……妻が夫をさしていう。うちの人
食傷……ショクショウ・同じことに飽き飽きすること
中気……チュウキ・中風
重代……先祖代々伝わること
奏者番……ソウシャバン・年始・五節句などに、将軍に謁見する大名の姓名の言上、進物の披露、下賜品の伝達など行った。

第二話 汚名の人

■用語集 二
板行……ハンコウ・書籍を印刷し発刊すること
頒布……ハンプ・品物や資料などを広く配ること
閣老……カクロウ・江戸幕府の役職、老中の異称
牽強付会……ケンキョウフカイ・道理に合わないことを、自分に都合のいいように無理にこじつけること
閨門……ケイモン・寝室の入り口の戸。てんじて、寝室。閨房。夫婦の間柄。家庭の中
掣肘……セイチュウ・わきから干渉して、人の自由な行動を妨げること
俗耳……ゾクジ・世間の人々の耳。俗人の耳
啓蒙……ケイモウ・人々に正しい知識を与え、合理的な考え方をするように教え導くこと。
剔抉……テッケツ・えぐりだすこと。欠点や悪事を暴き出すこと
口番……クチバン・劇場の楽屋の出入り口で番をする人

第三話 冬の巷

■用語集 三
漁船……イサリブネ
丹前……タンゼン・防寒のための部屋着の一種
瀆神……トクシン・神の神聖を傷つけること

第四話 夕顔の少将

■用語集
煽情……センジョウ・人の欲情や感情をあおること
攣縮……レンシュク・ひきつりちぢまること
懈怠……ケタイ・怠惰であることと
誹謗……ヒボウ・他人を悪く云うこと。そしること
小十人組……若年寄配下で、戦時には将軍馬廻りの警護。平時には将軍出向に先駆けをした。
多血質……快活、楽天的、社交的で、気が変わりやすい気質のこと。
秋景……秋の景色。秋の眺め。
虚妄……事実でないこと。うそ。
瞞着……ごまかすこと。だますこと。
警蹕……声をたてて、先払いをすること。
綸子……なめらかで光沢のある絹織物
扈従……貴人に付き従うこと
綱紀……規律

第五話 香汗

■用語集
慰藉……なぐさめいたわること。
表白……考えや気持ちなどを、言葉や文章に表して述べる。

第六話 狩の行事

 

第七話 あだ化粧

■用語集
賜暇……官吏が願い出て、休暇を許可されること
困憊……困って疲れ果てること
度数……繰り返しの数。どすう。

第八話 かはたき

 

第九話 小金ヶ原

 

第十話 獲物

■用語集
破牢……脱獄
専横……好き勝手に振る舞うこと
暴戻……荒々しく道理に反する行いをすること
御座所……貴人の居室
知遇……厚遇
神助……神の助け
訴人……訴え出ること
故買……盗品をかうこと。けいず買い
一隅……かたすみ。
踏査……実際にその地へ出かけて調べること

第十一話 あだ化粧

■用語集
あけすけ……開けっぴろげで露骨なこと
おぐし……頭髪の敬称
版行……書物などを発行すること
惘然……モウゼン・呆然
雑俳……遊戯的な俳諧の総称
陋劣……卑劣
心奥……心の奥底

 

第十二話 足音

■用語集
画餅……絵に描いた餅
譴責……しかり攻めること
家産……一家の財産
規矩……考えや行動の基準とするもの
患家……患者の家

 

第十三話 風の彼方

■用語集
貧寒……貧しく寒々したこと。中身が乏しいこと。
拝顔……人に会うことをへりくだって云うこと。
なかんずく……その中でも。とりわけ。
別懇……昵懇。とくに懇意なこと
腎虚……虚弱体質。精力減退などの症状

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