まるたけ児童文学館!

キノコ会議 夢野久作著

夢野久作

 日本探偵小説三大奇書の一つ『ドグラ・マグラ』を書いたひと 
 このごろは、夢久、夢Q などとも呼ばれている。
 多才な人で、怪奇的幻想的な小説を書く一方、禅僧でもあり、詩や短歌にも長けていた。陸軍少尉、郵便局長であった時期もある。
 デビュー作は、あやかしの鼓。
 筆名の夢野久作は、小説を読んだ父の感想からきており、
「夢の久作の書いたごたる小説じゃねー」
 福岡地方で夢の久作といえば、「夢想家、夢ばかり見る変人」という意味を持つ、つまりは方言。これをきいた瞬間、久作はピンときたのだろう。そのままペンネームにしてしまって、以降はこの筆名で活躍を始める(別名義の作品も多数あるが)。ドグラマグラをものにできたのは、このペンネームのおかげかもしれない。
 ちなみに、ドグラマグラは、執筆に十年をかけた久作渾身の書だったが、これを発表したころは、くだんの父の負債と愛人の処理におわれており、その処理報告を受けている最中に、脳溢血で昏倒、死亡したというエピソードをもつ。
 つなみに久作には、陸軍少尉であった時期があるが、これもくだんの父に、家族のもとに帰る(愛人とわかれて)条件としてだされたものであり、久作は家族のために、近衛師団に入隊したのだった。父に振り回された半生に見えなくもない。

 キノコ会議は、コミカルな寓話となっており、話のしめにもおかしみを持たせている。短い作品ですが、ちょっと笑えます。

グリム兄弟 星の銀貨

 キリスト教の訓話的なお話ですが、最後の銀貨が降るシーンは、わりと好きですね。ちなみにグリム兄弟は六人いて、長兄次兄が有名ですが、末弟のルートヴィヒも、挿絵などを手がけています。

 ヤーコプ、ヴィルヘルムの二人はギムナジウムを首席で卒業しています。学生時代から優秀だったんですね。

 グリム兄弟の作品は、これからも読んでいきたいと思っております。
 青空文庫収録作品は、楠山 正雄の訳。世界と日本の童話集の出版に活躍した人です。

グリム兄弟作 ブレーメンの町楽隊  

 グリム童話は、ドイツのグリム兄弟が著した童話集で、第一巻と第二巻、計156編がだされました。
初版は1812年発行。改訂版が何度か出されましたが、1857年にだされた第7版が、決定版とされています。今では170以上の言語に翻訳されています。もっとも多くの挿絵の描かれた文学では亡いかと言われております。

 ブレーメンは実在の町です。まあ、四人組は、その町にはいっていないわけですが。

新美南吉作 ごん狐

青空文庫で、教科書にのっていた作品、絵本を読んで欲しい、という要望が高まっていましたので、こちらのコーナーを開設しました。

第一弾は、こちら!

日本の児童文学作家、新美南吉の代表作! 29才にして結核で亡くなりました。地方で教員をつとめるなど、宮沢賢治との共通点も多い人です。
 雑誌、赤い鳥出身の作家で、ごん狐も、昭和七年に掲載しれました。ちなみに、宮沢賢治も寄稿したのですが、評価されず。何故?

 ごん狐の舞台は、江戸から明治にかけて、と云われています。兵十は鉄砲をもっていますが、江戸時代は、農家の方もたくさんもっていたんですね。いめーじちがう。

 南吉の代表作にして、18才のときに書かれただけあり、みずみずしい感性がきわだちます。でも、ハッピーエンドじゃない。

 ごん狐には、三種類のお話がありました。元猟師の口伝と、南吉のオリジナル草稿、鈴木三重吉が子ども向けにまとめた「ごん狐」です。ちなみに、南吉のオリジナルでは、結末がちがいまして……

 ともあれ、国語教材に絵本と、長らく日本の児童に親しまれ続けたごんぎつね。講読版ゴンギツネとしてお楽しみいただければ、幸いです。

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