江戸の一般的な裏長屋は6畳のワンルームでした
1畳半の台所、土間
4畳半の部屋が一つ
家財道具はみんな少なく
トイレ、井戸は共同です
井戸といっても水道水で
17世紀に水道があったのは、江戸の他はロンドンだけでした
一般的な大工の日当が5000円とすると
長屋の家賃が500文ほどですので、7500円位になります
2階建ての長屋だと、これが家賃1000文
15,000円位です
このほか長屋には、動くコンビニがやってきました
これがぼてふりと呼ばれる行商人で
朝と夕、家の前まで売りに来てくれます
魚、野菜、お惣菜はもちろん
観葉植物を、のや瀬戸物店日用品
夏になると、砂糖を溶かした冷水まで売りにきました
こう書くとものすごくものぐさなように思えますが、
江戸っ子は、ほんとに怠け者
諸物価が安いので、月のうち半分働けば女房子供を養います
面白いのはいつでもバイトができたことです
今日はちょいとお米がない、そんな時に親父さん外に出て、米をつこうか、風呂を炊こうか、そんな風に呼び歩けば、どこかの家からお声がかかる。
たとえ素寒貧でも、酒が飲みたきゃ、大道芸でもやればいい
葛飾北斎も、おまんまが食えないときは、巨大な張り子の唐辛子を背負って歩いたそう
河童芸なんてのもありました
鍋底の煤を顔にぬる。人のいる大通りに出る。後はしゃがんで飛び跳ねます。そこで相棒がこんなことを言う
「江戸は浅草、京は四条河原、浪速は天満天神内におきましてご評判に預かりましたる紀州熊野浦で生け捕りました河童でござ〜い」
ここでかっぱは舌を握って、からららら、と言う
通行人が、どっと受けたらしめたものです
江戸人は笑ったついでに、必ず一文二文の小銭を放っていきます
こうしておけば酒代なんてすぐに稼げる
凝った仮装すればするほど、多くの金を与えたそうです