【朗読まとめ】山本周五郎/夜明けの辻  再録シリーズ 四  【朗読時代小説】

 

■あらすじ
 尊王論者、山県大弐の来訪で混乱する藩政。一枚流の達者、功刀伊兵衛は、山県大弐の危険思想を見抜き、反撥するが、大弐の思想にふれるうちに、徐々に感化されていく。彼は、藩を捨てて、信念に生きる道を選ぶ。
 早すぎた幕末を、山本周五郎が描く。

■史実の山県大弐
1725年(享保10年)に生まれ、 1767年9月14日(明和4年8月22日)に没した実在の人物です。
 甲斐国の人で、江戸に出てからは、医者をしながら儒学、兵学など多用な学問を教えています。代表作に「柳子新論」を著しましたが、吉田松陰に影響を与えたと言われています。尊王論者でした。
 明和三年に、謀反の疑いにより、逮捕され、翌年には、門弟とともに、処刑されてしまいました。

■夜明けの辻
1940年(昭和15年)12月~翌年5月 『新国民』掲載

■登場人物
功刀 伊兵衛……老職格の小幡藩士。大弐の話に共鳴するようになる。
功刀伊右衛門……伊兵衛の父。
喜  和  ……母。
佐  和  ……妹。
五郎次   ……功刀家の下僕。

来栖 道之進……近習番。伊兵衛の友人で佐和の婚約者。
曽  女  ……道之進の母。

山県 大弐 ……尊王学者。小幡藩で尊王を教えを講演する。
長谷川 東寿……大弐の門人。盲無念といわれる剣の達人。

織田美濃守信邦……小幡藩主。
津田 頼母 ……小幡藩の国家老。大弐を藩の賓師として迎えようとする。
豊道 左膳 ……老職。
笠折吉左衛門……老職。
河村 将監 ……老職。
紙屋十郎兵衛……部屋住みの小幡藩士。
斎藤 孫次郎……藩士。
小林 大助 ……藩士。

大沢 数馬 ……江戸近習番。刺客。
谷口 平六 ……江戸詰の藩士。刺客。
野島 忠之丞……江戸詰の藩士。刺客。

鳴海 大九郎……目付役。
吉田 玄蕃 ……小幡藩江戸家老。
松原 郡太夫……小幡藩江戸表用人。大弐の教えを反幕府として刺客を
             派遣する。
津田 庄造 ……小幡藩江戸表用人。
柘植源右衛門……小幡藩年寄役。
織田少将信栄……高家。信邦の実父。
桃井 久馬 ……江戸詰の小幡藩士。大弐を狙う刺客。
山口 藤吉 ……江戸詰の小幡藩士。大弐を狙う刺客。
土井 勇次郎……江戸詰の小幡藩士。大弐を狙う刺客。
松宮 主鈴 ……幕府役人。
藤井 右門 ……大弐の門人。
梅  叟  ……崇福寺の和尚。

■この動画の目次
0:00 一の一
6:35 一の二
12:17 一の三
18:43 一の四
24:26 二の一
29:40 二の二
36:28 二の三
43:08 二の四
48:11 三の一
53:06 三の二
59:49 三の三
1:05:45 三の四
1:13:56 四の一
1:19:32 四の二
1:25:21 四の三
1:31:27 四の四
1:37:57 五の一
1:43:19 五の二
1:49:42 五の三
1:55:13 五の四
2:00:40 六の一
2:06:20 六の二
2:13:23 六の三
2:19:29 六の四

■用語集
端然(たんぜん)……姿勢などが乱れないで、キチンとしている様。
狷介(けんかい)……頑固で自分の信じるところを固く守り、他人に心を開こうとしないこと。片意地。
舌端(ぜったん)……弁舌
村夫子(そんぷうし)……村の学者、田舎の先生。
声調(せいちょう)……話したり歌ったりするときの、声の調子。
発意(ほつい、はつい)……思いつくこと。考え出すこと。
名利(みょうり)……名誉と利益。
秩禄(ちつろく)……官などにより支給する俸禄
侯伯(こうはく)……封建社会での君主
宣下(せんげ)……天皇が宣旨を下すこと
霏々(ひひ)……雪や雨が絶え間なく降る様
白皙(はくせき)……皮膚の色の白いこと
経綸(けいりん)……国家の秩序をととのえ治めること
出頭(しゅっとう)……他より抜きん出ること
才媛(さいえん)……才女
杣人(そまびと)……きこり

■用語集
疎林(そりん)……立ち木のまばらな林
傷所(きずしょ)
凡手(ぼんしゅ)……平凡な腕前
枯林(こりん)
疎隔(そかく)……うとくなって、へだたりができること。
賓師(ひんし)……客分として待遇される師
反目(はんもく)……互いににらみ合う状態。仲が悪い事
高家(こうけ)……格式の高い家。由緒正しい家柄。名門。
方策(ほうさく)……はかりごと。計略。
叫声(きょうせい)
凄惨(せいさん)……目を背けたくなるほど、いたましいこと。ひどくむごたらしいこと。

■用語集
枢機……スウキ・重要な政務
参与……サンヨ・事務職務に参画させること
忌諱……キイ・おそれさけること。忌み嫌うこと
譴責……ケンセキ・しかり攻めること
厩舎……キュウシャ・牛や馬を飼う小屋
土庇……ドビサシ・ツチビサシ・数寄屋造りなどで、柱をたて深く張り出させた庇
錯雑……サクザツ・まとまりがなく入り交じる。錯綜
措辞……ソジ・詩歌や文章などの、言葉の使い方や軸の配置の仕方
啾々……シュウシュウ・小声でしくしくと泣く様
妻戸口……ツマドグチ・寝殿造りなどの妻戸になっている出入り口
誹謗……ヒボウ・他人を悪く云うこと
顚覆……テンプク・政府などを倒そうとすること
離間……リカン・仲違いさせること
平定……ヘイテイ・敵や賊を討ち平らげること
狷介……ケンカイ・頑固で自分の信じることを固く守り、他人に心を開こうとしないこと
南画……ナンガ・南宗画の略
六曲……ロッキョク・屏風の六枚おれ
宛然……エンゼン・そっくりそのままであること
別懇……ベッコン・特に懇意なこと。昵懇
発足……ハッソク・ホッソク・組織などが活動をはじめること

■用語集
籠絡……ロウラク・巧みに手なずけて、自分の思い通りに操ること
一天万乗……イッテンバンジョウ・天下を治める君主
不易……フエキ・いつまでも変わらないこと
恩顧……オンコ・情をかけること。よくめんどうをみること
助勢……ジョセイ・力を添えて援助すること。加勢
禍根……カコン・禍の元や原因
耳底……ジテイ・耳の奥
惘然……モウゼン・あきれて、あっけにとられたさま。ぼうぜん・
退座……タイザ・退席
展墓……テンボ・墓参り
袂別……ベイベツ・袂を分かつこと
国体……コクタイ・国のあり方。国家の根本体制
追捕……ツイブ・ツイフク・犯罪者などを追いかけて捕らえること

屈強……クッキョウ・きわめて都合の良いこと
犀利……サイリ・才知が鋭く、物を見る目が正確である様
陋劣……ロウレツ・いやしく軽蔑すべきであること。卑劣。
心服……シンプク・心から尊敬して従うこと
尊崇……ソンスウ・尊敬
忿怒……フンヌ。ひどく怒ること。
憐憫……レンビン・あわれむこと。
欺瞞……ギマン・あざむきだますこと
正身……ショウジン・その人自身。当人。
山湖……サンコ
波上……ハジョウ
決別……ケツベツ・きっぱりと別れること
端座……タンザ・正座
式微……シキビ・はなはだしく衰えること
秕政……ヒセイ・悪い政治
燈明……ミアカシ
鳴鉦……メイショウ。鉦を鳴らす

 

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