【銭形平次捕物控/八五郎の恋人(瑠璃子版)】音本倶楽部/放送部 〜瑠璃子の聞き流せラジオ〜【言葉と音の文芸プロジェクト】
『八五郎の恋人』は、昭和二十六年面白倶楽部夏の増刊 七月号掲載作品。シリーズとしては、264作目に当たります。
野村胡堂の述懐では、【容易に罪人をつくらないこと、町人に愛情を持っていること、侍や遊び人を徹底的にやっつけること、明るくて健康的であることを心がけた】と語る、日本が誇る捕物帳の名作。
江戸神田明神下の長屋に住む「江戸一番の捕物名人」。舞台は、江戸時代初期の慶安から承応にかけてでしたが、第三十話あたりから江戸時代の後期、文化・文政期あたりにうつっております。
長・短編合わせて総計三八三編(長編21,中編18,短編341,掌編3)。テレビドラマ大川橋蔵の銭形平次は、18年間で888回をかぞえ、ギネスブックにも載っております。「1人の俳優が同じ主人公を演じた1時間ドラマ」としては世界最高記録であります。
🎵 主題歌
オレノオヤブン
歌詞を見る
どうせこの世は 丁半博打(ちょうはんばくち)
路地の埃を 寝床にしてた
夢も希望も どぶに捨て
人を信じりゃ 馬鹿を見る
てやんでえの悪態ついて
尖ってなけりゃ
やってられねえ
そんなところに
ふらりと現れた
あんたは俺の 親分
ああ 親分
あんたの背中を
追いかけ走る この道は
埃にまみれて 傷だらけ
だけど不思議と 心地よい
ガラッ八の この胸に
でっかい十手が 刺さってる
あんたの名前がついている
出番だなんて言われては
憎まれ口 を叩いてる
街を一緒に走りだす
しくじり平次なんて
笑い飛ばして
おれのしくじりも笑いとばして
でっかいあんたが身に染みる
あんたは俺の親分
命を賭けられればこそ
誰かの道を照らせてる
あんたは俺の自慢の親分
俺はあんたの十手のつもり
江戸の街をかけずりまわって
あんたの片棒になるつもり
もしかあんたがいなくなっても
心の十手は残すつもり
江戸がこの世にある限り
あんたの心は消さないつもり
親分と俺と
日ノ本を守っていかなくちゃ
おれは
それを
仕事にするつもり
📖 朗読パート
1. 001__八五郎の恋人
2. 002__八五郎の恋人
3. 003_1_八五郎の恋人
4. 003_2_八五郎の恋人
5. 004__八五郎の恋人
6. 005__八五郎の恋人
7. 006__八五郎の恋人
8. 007__八五郎の恋人
9. 八五郎の恋人主題歌「オレノオヤブン」エンディング
👥 登場人物
- 平次
- 銭形の平次。岡っ引き。銭占いと投げ銭打ちが得意技。三一歳。
- 八五郎
- ガラッ八。平次の子分。三〇歳の独身
- お静
- 平次の恋女房。二三歳
- 笹野新三郎
- 八丁堀の与力で、平次の良き理解者
- お品
- 石原の利助の娘。中気にかかった父、利助にかわって、御用をうけたまわるようになる。
- 三輪の万七
- 御用聞き。銭形平次と張り合う。
- 玉吉
- お玉ヶ池の下っぴき
- 稲葉屋勘十郎
- 稲葉屋の用心棒で、主人の死んだあと、お角の婿になる。
- お角
- 勘十郎の内儀
- 阿星源之丞
- 勘十郎と同藩のさむらい
- お君
- 内儀の妹
- お直
- 下女
- 九郞助
- 下男
- 浅野屋惣吉
- お君の叔父
- 長谷部弥三郎
- 同心
- 村雨の鉄
- 老巧の目明かし
- 惣之助
- 惣吉のせがれ
📚 用語集
- 店屋物
- テンヤモノ・飲食店から取り寄せる料理。
- 仁体
- ジンタイ・人の様子。人柄。みがら。人品。風采。身分。じんてい。
- 両掛け
- 荷物をひもで結んで前と後ろに振り分け、肩に担ぐこと。江戸時代の旅行用の行李の一。挟箱や小形のつづらを棒の両端に掛け肩に担いだもの。