ジョルジュ・ルメートル

 ビッグバン理論の提唱者の一人。ただビッグバンという名は、ジョルジュが与えた物ではなく、彼の理論を揶揄するものたちによって名付けられた。

 名付けたのは、フレッド・ホイルで、ビッグバン理論に対抗する定常モデルの提唱者。ラジオで、話したフレーズが広まったわけだが、本人に悪気はなかったと後に語る。

 

 ジョルジュは、従軍後に相対性理論を学び、その五年後には、アインシュタインの理論を基に、膨張宇宙論を発表した。1927年のことである。

 もっとも、この当時のアインシュタインは、定常宇宙を信じており、宇宙にはじまりがあるというジョルジュの理論は支持していない。というよりも20世紀初頭では、ほとんどの天文学者が宇宙は定常・不変なものと信じていた。

 ジョルジュの理論はキリスト教の天地創造を連想させ、宇宙論と宗教の間で論争を巻き起こすこととなった。ジョルジュ自身は、科学と信仰は別なものであるというスタンスをとり続けた。(もっとも1936年には、ローマ教皇庁立科学アカデミーの会員に選出されている)

 やがてアインシュタインは、自らの考えをあらため、ジョルジュを支持するようになる。

 ジョルジュは、1966年になくなるが、それは自らの宇宙論を裏付ける、宇宙マイクロ波背景放射の発見、まもなくのことであった。

 

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