宇宙創生記

この世界を構成しているもの

これ以上細かく出来ない最小の単位=つぶがあって、この粒が集まることで物質は出来ている――

この「原子説」ギリシャの時代から存在したそうで、ただ、原子は目で見ることは不可能なほど小さな粒であるため、確かめることはできません。

 一センチメートルを基準にすると、原子の大きさは、その一億分の一。

 原子、というものが確かに存在し、すべての物質は原子で成り立っていることが証明されるには、二十世紀を待たねばなりませんでした。

 まず化学反応式が、原子分子の存在をしめし、その後、ブラウン運動の発見があり、数式化がなされました。ブラウン運動を理論的な数式に落とし込んだのは、あのアインシュタインです。さすがっすね。

液体に浮遊する微粒子がランダムに運動する現象。ロバートブラウンによる発見。

 アインシュタインの示した数式の正しさを証明した人もおり、この科学者は、ノーベル物理化学賞を受賞しています。

原子核の周りを電子が回る。現在にもつながる原子模型を発表。ブラウン運動の精密な実験を行い、分子理論を発表しました。小惑星の名前にもなってます。ノーベル物理学賞を受賞したのは、1926年。

物質の最小単位

 原子の存在は、証明されたが、今度は物質の最小単位は、原子ではない、ということもわかってきました。

 現在わかっている物質の最小単位は、クォークです。

 原子をさらに細かくすると、原子核とその廻りをまわる電子という粒に分かれます。

 原子核をさらに分解。陽子、中性子という粒が出てきました。この、陽子、中性子を構成しているのがクォークです。

 クォークは、現在六種類が確認されています。陽子と中性子を作っているのは、「アップクォーク」と「ダウンクォーク」の二種類です。

 アップクォーク二つとダウンクォーク一つで、陽子に。

 アップクォーク一つとダウンクォーク二つで、中性子になります。

 クォークが、三つ集まったのが、陽子、中性子である、ということになります。

 昔は、原子が物質の最小単位とならったもんですが、今では、原子を分割していくと、クォークに行き着くことまで解明されました。クォークこそがそれ以上分解することが不可の、最小単位なのです。

 クォークは、原子核を分解することで発見されますが、もう一つ、原子核の相棒、電子も、それ以上分割できない、最小単位です。このクォークや電子といった最小単位を、「素粒子」と呼びます。

 どんな物質も構成している部品はおなじなのです。違うのは、数と組み合わせ。

 素粒子は、すべてが同じものであり、水を構成する酸素原子も、水素原子も、そのウチに備えたアップクォークは、どちらも全く同じもの。場所が違うだけで、そういう意味では、わたしたちの細胞と、少しにてますね。

 根っこの部品は同じなのに、陽子が三つ、中性子が四つなら、リチウム。陽子と中性子が二つずつなら、ヘリウムにと、組み合わせにより、異なる原子――元素になるわけです。

クォーク結合の正体

 とことん分解すると、クォークに行き着くのはわかったけれど、この人たちはなんでくっついてるんざましょう? 同じ部品ばかりなら、ごっちゃにならないのかな? と考えてしまいます。

 クォークを結びつけているのは、グルーオン、という素粒子。この素粒子は力を媒介する性質を持ち、このグルーオンが、移動を繰り返すことで、3つのクォークを結合させ、陽子や中性子になります。

 グルーオンは、陽子と中性子もくっつけて、原子核を作ります。

 物質の仲人、グルーオンですが、そこから先、原子核と電子を結びつけているのは、電磁気力になります。原子核は、プラス、電子はマイナスの電荷をおびており、プラスとマイナスは引き合うので、この二つは、くっつき合って、原子になってくれます。自分の性質のみで結びつき合っているので、自然恋愛なのですね。ちなみに、このグルーオンたち、素粒子の世界を解明しようとしているのが、量子論です。アインシュタインが、毛嫌いしていた学問です。

素粒子の出現

 さて、全ての物質の元となっている素粒子ですが、いつどこからやってきたのでしょう?

 その答えは、いつでもなく、どこからでもない。宇宙の創成より、そこにあった、というのが答えです。

 宇宙創生、0・00001秒までの間、素粒子は宇宙全体に満ち溢れていました。アップクォーク、ダウンクォーク、電子、グルーオン、光子といった素粒子が、均一にごちゃ混ぜになって宇宙を満たしていたのです。

 温度はとても高いものでした。
 宇宙創生、0・00000000001秒後の温度は摂氏1000兆度
 0・00001秒後では、摂氏1兆度ほどの熱さでした。

 宇宙創生より、0・00001秒以降、宇宙は膨張し、温度は徐々に下がっていきます。すると、クォークは3つずつ集まり、陽子と中性子ができていきます。

 宇宙創生より、四分が経つと、温度は八億度まで下がります。バラバラだった陽子と中性子は、くっつき合って、原子核となります。

 中性子のほとんどは、ヘリウムの原子核に取り込まれます。残った陽子は、水素の原子核になりました。

 宇宙創生より数分後の世界は、水素原子核とヘリウム原子核、電子、ニュートリノ、光子が主な構成要素でした。

宇宙の晴れ上がり

 宇宙創生間もなく。電子にとって、宇宙空間は、もやがかかったような状況でした。原子核と電子が飛び回っており、光子はこの電子にじゃまをされてまっすぐ進むことが出来なかったのです。

 宇宙年齢が、38万年にもなると、温度はいよいよ下がって3000Kまで低下します。水素とヘリウムの原子核には、電子が結合して、水素原子とヘリウム原子に姿を変えていきました。これらは、電荷がプラマイゼロで、中性の原子です。自由に飛び回っていた電子は姿を消していき、光は電子に遮られることなく、真っ直ぐ進むようになりました。
 これが宇宙の晴れ上がり、です。

  国際宇宙ステーションは、軌道上を静止しているわけではなく、地上からみて400キロ上空を時速二万八千キロで周回しています。この速度なら、二時間で地球を一周でき、さまざまな研究実験が実施されています。
 さて、そんな宇宙ステーションにも、必ず必要なのがトイレで、二カ所に設置(ロシアとアメリカのトイレがひとつずつ)。多いか少ないかはともかく、なにぶん宇宙でのこと。たかがトイレといえど、一工夫が為されています。ちなみに、米国のトイレも、トイレ本体はロシア製(価格は1900万ドル)。どちらもファンを回して空気の流れで、尿と便を吸い取ります。

 まず、大。便座にすわって排泄すると、特殊な袋が受け止めます。一回ずつつぶして、専用タンクにためるしくみとなっています。このタンクは、一週間に一回程度で、交換するそうです。
 小、は、漏斗状の受け口がついたホースに排泄。受け口は男女で異なっています。たまった尿は、ポンプで液体と気体に分けられ、気体は「フレッシュエアー」として、室内に還元。液体だけがタンクにためられます。汚水タンクの容量は22リットル。

 アメリカのトイレは、2008年設置のもので、尿処理装置がついており、飲料水にリサイクルが可能になっています。

 こうしてたまった汚物は、ISSに結合しているプログレス宇宙船に運ばれます。後は大気圏に突入させることで焼却処分となっています。

 

クォークスープ?

 クォークは不滅で、宇宙創生より、その数は変わっていないのです。クォークは、組合せを変え、さまざまな物質に姿を変えていきますが、数は同じ。宇宙全体のクォークは、宇宙創生より、一定数を保ったままなのです。

 現在この宇宙を構成している全てのクォークは、ビックバン前の点のような宇宙の段階で全て出そろっていたことになります。

 一点に詰め込まれていたために、クォークは、陽子にも中性子にもなることができませんでした。全てのクォークは、単独で存在し、それ以外の何者でなかったわけです。この時の宇宙を、クォークスープ、といいます。
 宇宙創生のころ、その姿は、クォークで出来たスープのようなもの、だったわけです。

ビッグバンアタック!

 日本の宇宙飛行士は、JAXAの職員。その給料は、一般の国家公務員と変わらないそうです。
 これは、アメリカの宇宙飛行士も同じで、扱いはNASA職員。アメリカの国家公務員給与規定にそって支給されているらしく、30才では、年収7万ドル前後をもらっているそう。
 あんな大仕事をやってのけているわりには、意外な雑学でした。

 人は死ぬと荼毘にふされて、体を構成していた炭素や窒素は地球へと返される。けれど、もっと小さな陽子や中性子、もっといえばクォークがこわれることはけしてないので、その意味では不老不死(ピンときませんが)

 今、体を構成しているクォークも、宇宙創生の頃からあって、様々にくっつき合って、何かにはなってきたわけです。宇宙を漂う岩石だったかもしれないし、恐竜になったこともあったかも!

 地球にやってくる前に何になっていたのか、そう考えると不思議――というか、頭痛くなってきますね。

 自分が死んでも、クォークという単位では、ずっと何かにはなっていく。そんなことを思う、宇宙創世記でありました。

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丸竹書房

七味春五郎の著作を中心に、無料連載や、電子本の販売、書籍の販売を行っています。 編集人「ゴンさん」の雑学も充実しております。

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