坂口安吾『安吾捕物帳』
明治開化 安吾捕物 その一 舞踏会殺人事件
丸竹書房がお届けする推理文学の傑作、オーディオブックの世界へ!
名探偵・結城新十郎が明治の難事件に挑む!
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「舞踏会殺人事件」主な登場人物
結城 新十郎(ゆうき しんじゅうろう)
主人公。元旗本の末裔で、洋行帰りの紳士探偵。鋭い観察眼と論理的な推理で難事件を解決する。神楽坂に住む。
勝 海舟(かつ かいしゅう)
元幕臣で明治政府の要人。新十郎や虎之介の旧知であり、事件の相談相手となる。通称「氷川の御隠居」。
泉山 虎之介(いずみやま とらのすけ)
神楽坂の剣術使い。海舟や山岡鉄舟に剣を学んだ。大柄で豪放な性格だが、推理は的外れが多い。新十郎の友人であり、事件を持ち込む役割を担う。
花廼屋 因果(はなのや いんが)
元薩摩藩士で、現在は戯作者。新十郎の隣人で、事件に首を突っ込みたがる。虎之介とは探偵ごっこで張り合う仲。
速水 星玄(はやみ せいげん)
警視総監。大柄で豪快な人物だが、どこか抜けている。新十郎の推理力を頼りにしている。
加納 五兵衛(かのう ごへえ)
大政商。本作の被害者。自邸で開かれた仮装舞踏会の最中に殺害される。国家的な大事業に関わっていた。
お梨江(おりえ)
加納五兵衛の娘。十八歳。美貌の令嬢で、外国大使からも注目される。事件の鍵を握る人物の一人。
アツ子(あつこ)
加納五兵衛の後妻。二十七歳。大名華族の出身で、威厳がある。お梨江とは実の母子ではない。
満太郎(まんたろう)
加納五兵衛の息子で、お梨江の兄。英国ケンブリッジ大学から帰朝したばかり。
田所 金次(たどころ きんじ)
油絵描き。舞踏会に虚無僧姿で参加。五兵衛が倒れた際に介抱するが、新十郎に疑いの目を向けられる。
神田 正彦(かんだ まさひこ)
政商。加納五兵衛と対立する存在。舞踏会に虚無僧姿で参加。
上泉 善鬼(かみいずみ よしき)
総理大臣。国家事業のため加納五兵衛と組む。舞踏会には鎧兜姿で参加。
対馬 典六(つしま てんろく)
上泉総理の政敵。神田正彦と組む。舞踏会には神官姿で参加。
「舞踏会殺人事件」物語と朗読
(ここに「舞踏会殺人事件」のYouTube動画が埋め込まれます)
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あらすじ
明治十八九年、文明開化の東京。大政商・加納五兵衛邸で開かれた仮装舞踏会の最中、主人の五兵衛が何者かに殺害される。現場には閣僚や各国公使、そして政敵である対馬典六や神田正彦も居合わせ、事件は国家的な大問題に発展する様相を呈す。警視総監・速水星玄の依頼を受けた紳士探偵・結城新十郎は、旧知の勝海舟の助言を得ながら捜査を開始。奇妙な仮装、複雑な人間関係、そして国際的な陰謀が絡み合う中、新十郎は怜悧な推理で事件の真相に迫っていく。果たして、華やかな舞踏会の裏で起きた殺人事件の犯人とその動機とは?