野村胡堂『銭形平次捕物控 紅筆願文』オーディオブックの世界

 

 

 

作品と作者について

「銭形平次捕物控」シリーズとは

「銭形平次捕物控」(ぜにがたへいじとりものひかえ)は、野村胡堂による日本の時代小説シリーズです。神田明神下に住む岡っ引の銭形平次が、卓越した推理力と十手術、そして得意の投げ銭を駆使して、江戸で起こる様々な難事件を解決していく物語です。「御用!御用!」の掛け声や、子分のガラッ八(八五郎)との軽妙なやり取り、妻のお静の支えなど、魅力的なキャラクターと江戸情緒あふれる描写で、長きにわたり多くの読者に愛されています。数多くの映画、テレビドラマ、舞台にもなり、日本の捕物帳の代名詞的な作品の一つとして知られています。

作者:野村胡堂(のむら こどう)

野村胡堂(1882年10月15日 – 1963年4月14日)は、日本の小説家、音楽評論家です。本名は野村長一(のむら おさかず)。岩手県紫波郡彦部村(現在の紫波町)出身。東京帝国大学法科大学中退。報知新聞社(現在のスポーツ報知)の記者として活動する傍ら、音楽評論や小説の執筆を始めました。昭和6年(1931年)に『文藝春秋』に「銭形平次捕物控」の第一作「金色の処女」を発表して以来、383編に及ぶ銭形平次シリーズを書き続け、国民的な人気作家となりました。音楽評論家としては「あらえびす」の筆名で活動し、クラシック音楽の普及にも貢献しました。日本芸術院会員。

「紅筆願文」主な登場人物

銭形 平次(ぜにがた へいじ)

神田明神下の岡っ引。冷静沈着で推理力に優れ、投げ銭を得意とする。庶民の味方であり、人情に厚い。

ガラッ八(八五郎)(がらがっぱち / はちごろう)

平次の一の子分。お調子者でそそっかしいが、平次を慕い、事件解決に奔走する。愛すべきキャラクター。

石川 孫三郎(いしかわ まごさぶろう)

旗本・横山主計家の用人。屋敷内で起きた不可解な事件の解決を平次に依頼する。忠義に厚いが、やや頑固な一面も。

横山 主計(よこやま かずえ)

二千五百石取りの旗本。病床にあり、事件の渦中にある当主。

お勇(おゆう)

横山主計の後添えの奥方。四十歳。若殿時之助とは継子関係だが睦まじいとされる。事件の重要な容疑者の一人となる。

若葉(わかば)

お勇の方の娘。十九歳。美しいが、事件の謎に関わる。

時之助(ときのすけ)

横山主計の若殿。二十五歳。病弱だが心優しい青年。

浅井 朝丸(あさい あさまる)

横山家の掛り人(食客)。二十七歳。文武両道だが道楽が過ぎるとも。事件の謎解きに関わる。

お松(おまつ)

横山家の腰元。十八歳。若殿時之助に想いを寄せている。

鉄(てつ)

横山家の仲間(下男)。二十八歳。過去に横山家に恨みを持つ。事件の鍵を握る人物。

「紅筆願文」物語と朗読

(ここに「紅筆願文」のYouTube動画が埋め込まれます)
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あらすじ

旗本・横山主計の屋敷で、不可解な紅筆で書かれた願文が次々と見つかる。その内容は「若殿お命を速やかに縮め給え」という恐ろしいものだった。屋敷の用人・石川孫三郎から依頼を受けた銭形平次は、この奇妙な事件の捜査に乗り出す。屋敷内の人間関係が複雑に絡み合う中、平次は願文の謎を解き明かし、意外な犯人とその動機に迫る。紅筆に込められた怨念と、江戸の町で繰り広げられる人間ドラマを描いた一編。

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