時代小説

  • 人斬り仁右衛門

    「おとう」  そう呼ばれたとき、甚右衛門はさぞ戸惑ったにちがいない。  童がいる。奇妙な童だった。年は六つか七…
  • 奥州二代目彦六一家

     おーい、彦六 奥州遊侠藩の御城下、高田小牧通りに彦六一家の屋敷はあった。 一家の長、彦六が死んだのは、今年の…
  • 第一輯 その四

     大石は苦しみもだえながら、天に向かって吠えた。辺りの桜が緑葉を揺らし、その身につけた水滴をバッと散らしていく…
  • 新選組八犬伝 序

    前の話へ戻る  その処刑は、板橋宿――平尾、にて執り行われた。  夜間、である。  この時代、板橋宿は、江戸四…
  • 第一輯 その一

    ○   一  ざーざーざざざー 大粒の雨が、体を打っている。 仁右衛門は夢から覚めた姿勢のままだ。虚空に右手を…
  • 第一輯 その二

    ○   五  この、仁右衛門という男、元々、彰義隊士ではない。 洋式訓練を受けてはいるが、元は直新影流の皆伝者…

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