新撰組八犬伝

新選組八犬伝主人公、奥村仁右衛門という人物と、物語前夜について

新選組八犬伝の主人公、奥村仁右衛門は、徳川幕府御家人、御徒組の侍ということになっています。幕末の時点では、洋式部隊に組み込まれ、幕末の戦争を戦っています。物語は、上野戦争から始まるので、この時点では、幕府はなくなっているのですが。

本人は、フランス伝習隊に配属されているので、鳥羽伏見の敗戦後に江戸まで戻って参りました。史実では、伝習隊は、江戸脱走組と、残留して新政府軍に組み込まれたものと、敵味方に分かれて戦うのですが、仁右衛門は、そのどちらにも属しませんでした。隊を脱して、近藤勇の、甲陽鎮撫隊に身を投じます。

この甲陽鎮撫隊でも敗れて、まあ、負けっぱなしの人生です。流山で再起を図る近藤に付き添います。この辺りの史実の流れは、数説あるようですが、流山での訓練中に囲まれてしまったという説を採用。多勢に無勢でどうしようもなかったのですね。

近藤は後事を託して仲間を逃がすために、官軍に身を投じます。その後、板橋宿の脇本陣にとどめ置かれるのですが、処刑前夜にも、土方らに決して手は下さぬよう厳命します。一体、捉えられている間、近藤に何があったのか?

史実では土方は、近藤の助命嘆願後、大鳥圭介らとともに、宇都宮戦争などを戦うのですが、本編では江戸に残って、仁右衛門らと近藤救出に奔走します。

処刑後の土方は沖田のことを仁右衛門に頼み、出奔します。新選組の隊長クラスには、宝玉を持つ者が、数人おり、沖田もその一人。勇の玉のおかげで病の進行を遅らせていたのですが、玉を奪われたことで、病状が一気に進んでしまいます。土方は、沖田を救うために、奪われた勇の玉を取り戻しに行くのです

この辺りが、本編が、始まるまでの話の流れになっております。馬琴の書いた里見八犬伝は、ある程度史実にもとづいており、馬琴はために祟り神の呪いによって、失明してしまいました。

沖田の病は結核ですが、史実でも、江戸に戻って死んだ沖田が、池田屋で吐血するほど病状が、進行していたのたなら、もっと早くになくなったはずだと言われています。本編では、この辺りの逸話をほんの少し採用させていただきました。

仁右衛門は、沖田より一つ年長。年も近く、剣の腕を競い合っていた二人は、剣を通じた信頼関係でつながっています。江戸に残り、上野戦争に参加した仁右衛門は、沖田と江戸の町を救えるのか?というのが今後の話の流れとなります。

 

 

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