新撰組八犬伝 第一輯 その四 新選組八犬伝 大石は苦しみもだえながら、天に向かって吠えた。辺りの桜が緑葉を揺らし、その身につけた水滴をバッと散らしていく… 新選組八犬伝 序 新選組八犬伝 前の話へ戻る その処刑は、板橋宿――平尾、にて執り行われた。 夜間、である。 この時代、板橋宿は、江戸四… 第一輯 その一 新選組八犬伝 ○ 一 ざーざーざざざー 大粒の雨が、体を打っている。 仁右衛門は夢から覚めた姿勢のままだ。虚空に右手を… 第一輯 その二 新選組八犬伝 ○ 五 この、仁右衛門という男、元々、彰義隊士ではない。 洋式訓練を受けてはいるが、元は直新影流の皆伝者…