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メインのAudioBookChannelでも、数多くのAudioBookを配信しておりますが、こちらのページでは、新チャンネルでの配信にしぼって、AudioBookの紹介をしていきたいと思います。
姉妹チャンネルで新たに配信をはじめておりますが、メインのAudioBookChannelでも、100作以上配信しております。
- 1 名作短編48作目は、【赤ひげ診療譚 第二話 駈込み訴え】
- 2 名作短編47作目は、【西品寺鮪介】
- 3 名作短編46作目は、【日本婦道記 糸車(再録)】
- 4 名作短編45作目は、【古い樫木】
- 5 名作短編44作目は、【赤ひげ診療譚 狂女の話】
- 6 名作短編43作目は、【お美津簪】
- 7 名作短編42作目は、【米の武士道】
- 8 名作短編41作目は、【武道仮名暦】
- 9 名作短編40作目は、【武道仮名暦】
- 10 名作短編39作目は、【討九郎馳走】
- 11 名作短編38作目は、【江戸の土圭師】
- 12 名作短編37作目は、【酔いどれ次郎八】
- 13 名作短編36作目は、【蕗問答】
- 14 名作短編35作目は、【大将首】
- 15 名作短編34作目は、【失蝶記】
- 16 名作短編33作目は、【孫七とずんど】
- 17 名作短編32作目は、【避けぬ三左】
- 18 名作短編31作目は、【橋の下】
- 19 名作短編30作目は、【槍術年代記】
- 20 名作短編29作目は、【だだら団兵衛】
- 21 名作短編28作目は、【ちくしょう谷】
- 22 名作短編27作目は、【白石城死守】
- 23 名作短編26作目は、【枡落とし】
- 24 名作短編25作目は、【あすなろう】
- 25 山本周五郎の名作短編24作目は、【夜の蝶】
- 26 山本周五郎の名作短編23作目は、【砦山の十七日】
名作短編48作目は、【赤ひげ診療譚 第二話 駈込み訴え】
赤ひげ診療譚 過去朗読分
上 https://www.youtube.com/watch?v=G3G5mefAatA
下 https://www.youtube.com/watch?v=If8wGtQrBhQ
■登場人物
六助……蒔絵師。おくにの父親。養生所で死ぬ。
竹造……養生所の小者。
おくに……六助の娘。夫の悪事を奉行所に訴える。
富三郎……おくにの夫。
とも……おくにの長女。
助三……おくにの長男。
おとみ……おくにの二女。
又次……おくにの二男。
藤助……奥に親子の家主。
金兵衛……木賃宿「柏屋」の主人。
松蔵……貸家の差配。金兵衛に子どもたちをひきわたす。
島田越後守……北町奉行。
岡野……同心の一人。
■用語集
腫脹(しゅちょう)……炎症などで、組織が腫れ上がること
転帰(てんき)……病気が進行した結果、ある状態に至ること
激昂(げっこう)……感情がひどく高ぶること。ひどく怒ること。
患家(かんか)……患者のいる家。
平服(へいふく)……ふだんぎ
薬籠(やくろう)……薬箱
半幅帯(はんはばおび)……通常の半分の帯幅の帯。
厭悪(えんお)……嫌い憎むこと。ひどく厭に思うこと。
悋気(りんき)……嫉妬
名作短編47作目は、【西品寺鮪介】
針を据物斬りで真っ二つに! という本願をたてて、丸三年も修行してきた鮪介。じつは剣術修行は五日としていない。そんな彼が剣の達人とみこまれたことから、まきおこる騒動を描いた、山本周五郎の滑稽物です。
■登場人物
西品寺鮪介……農民だが、針割本願をたて修行をしている。
佐分利猪十郎……鳥取藩士。鮪介の剣をみて、道場に招く。
沢平……鮪介の父。
六助……鮪介の兄。
お民……長左衛門の娘で、鮪介の許婚者。
吉原不倒斎……鮪介の師匠。えせ剣術家
戸田市郎太……鳥取藩士。
岡田甚五兵衛……鳥取藩士。
池田光政……鳥取藩主。鮪介を藩士に取りたてる。
■用語集
慮外(りょがい)……思いがけないこと
拝察(はいさつ)……推察をへりくだって云う
慇懃(いんぎん)……真心がこもっていて、礼儀正しいこと
今様(いまよう)……当世風。今風
来駕(らいが)……来訪を敬って云う
やおら……おもむろに
つぶさに……詳細に。
上地(じょうち)……良い土地
野廻り(のまわり)……農事視察
名作短編46作目は、【日本婦道記 糸車(再録)】
■糸車
日本婦道記の中の一編です。
糸車を繰りながら、病身の父と幼い弟を養いながらたくましく生きるお高。
彼女は養女で、立身した実家は、お高を取り戻そうとする。
お高の生涯を思った父親は、生みの親の元に戻るようにと彼女を送り出す。
親子の絆を描いた一編です。
婦道記は、昨年31編全て読み終わったのですが、
日本婦道記朗読まとめ
①https://youtu.be/ny3BCZehzlE
②https://youtu.be/_s1FleQEh8s
③https://youtu.be/XJujkyswcas
④https://youtu.be/YvYZTCEB-P8
⑤https://youtu.be/UaDT9dyQFDI
今回は再録ということで。以前とはちがったテイストで読もうと云うことでチャレンジしてみました。収益停止の騒ぎで、個別の動画を消してしまい、まとめ動画しか残っていないので、ちょうどいいかなとも思ってます。
■登場人物
お高……依田啓七郎の養女。実家に戻ることを迫られ悩む。
依田啓七郎……松代藩士。妻に死なれ、本人も病で役を辞し、貧窮にあえいでいる。
松之助……お高の弟。
西村金太夫……松本藩勘定方頭取で、お高の実父。
梶女……お高の実母。まずしいころ手放したお高を取り戻そうと奔走する。
保之丞……お高の実弟。
■用語集
丹青(たんせい)……絵の具、彩色
松毬(まつかさ)……まつぼっくり
篤実(とくじつ)……情が深く誠実なこと
情誼(じょうぎ)……人と付き合う上での人情や誠意
喪心(そうしん)……魂が抜けたように、ぼんやりすること。放心。
問罪(もんざい)……罪を問いただすこと。
名作短編45作目は、【古い樫木】
老いた武将に起こった悲喜劇をおった、佳編です。
多くの戦場を渡り歩き、四十九万石の太守となった正則は、心身の倦怠を感じていた。そんな彼の心を慰めたのは、同じように老いて枯れ木となった古い樫の木であった――
■登場人物
福島正則……豊臣秀吉の武将。現在は広島藩主。
富井主馬……扈従組の若侍。
女 ……表使いの女中。主馬の恋人。
佐太兵衛……正則と同郷の庭番。
保乃 ……正則の側室。
鳥居忠政……幕府の上使。
夫人 ……正則の正妻。牧野忠成の妹。
■用語集
・琅玕色(ろうかんしょく)暗緑色または青碧色
・霜雪(そうせつ)……霜と雪
・弧しょう……孤立した山などが険しくたっている様子。
・頽齢(たいれい)……心身の能力が衰えてしまうほどの高齢。
・衰耗(すいもう)……衰え弱ること。
・井水(せいすい)……井戸の水
・震撼(しんかん)……ふるい動かすこと。また、人を震え上がらすこと。
・騒擾(そうじょう)……集団で騒ぎを起こし、社会の秩序を乱すこと。
名作短編44作目は、【赤ひげ診療譚 狂女の話】
江戸時代の小石川養生所を舞台に若き医師、保本登と、実在した町医「小川笙船」をモデルにした人物、新出去定を軸に、患者や制度との葛藤を描いた、成長物語。
昨年メインチャンネルで配信しているんですが、音が悪かったので、改めて読み直してみました。
1958年(昭和33年)3月~12月 『オール読物』 ※7月休載
八つの短編からなりたつ連作時代小説で、映像化、舞台化は数え切れないほどされているだけあって、二回目の朗読でも、楽しめましたね。
■登場人物
新出去定……赤ひげ。小石川養生所の医長。
保本登……長崎へ遊学後、江戸へ戻り、小石川養生所の医員見習となる。
森半太夫……養生所見習医員。
津川玄三……養生所の医員。登と交替して養生所を出る。
お雪……養生所の賄所で働く。森を慕っている。
保本良庵……登の父。町医者。
天野源伯……幕府の表御番医。
天野ちぐさ……登の許婚者。
天野まさを……ちぐさの妹。
ゆみ……富豪の娘。人を殺め養生所の離れに隔離される。
お杉……ゆみの付添い女中。
■用語集
草本(そうほん)……本草学で、草の性質をもつ植物の総称
厳秘(げんぴ)……極秘
淫楽(いんらく)……みだらな楽しみ。色欲による快楽。
入費(にゅうひ)……物事をするのにかかる費用。
瓢(ふくべ)……ひょうたんの果実を容器としたもの。
本道……内科。
内障眼(そこひ)……眼病
施薬院(せやくいん)……貧しい病院に薬を与え治療した施設。
お侠(おきゃん)……若い女性の活発で慎みのないこと。
雪洞(ぼんぼり)……照明器具の一つ
名作短編43作目は、【お美津簪】
1937年(昭和12年)8月 『キング増刊号』
■登場人物
・正吉……すっかたぎのお店者だったが、お紋の口車にのって店の金をもちだし、出奔、身を持ち崩したあげく、労咳病みとなり、余命幾ばくもない。故郷に帰ることのみが望みとなる。
・お美津……茂兵衛の妹娘で、正吉とは互いにほりあう。
・茂兵衛……唐物商「筑紫屋」の主。正吉の才覚にほれ、娘お綱をめとらせ、筑紫屋をつがせようとするが。
・お綱……茂兵衛の姉娘。
・お紋……薗八節の師匠で、正吉を悪の泥沼におとしこむ。
・辰次郎……鼬の辰次郎。正吉に、拵え博打を持ちかける。
・飲屋の亭主……正吉と同郷の悪人。表向きは飲み屋の亭主。
■用語集
唐櫃(からびつ)……衣装などをいれる直方体のひつ。
葛籠(つづら)……ツヅラフジのつるでつくった蓋付きの籠
法度(はっと)……禁じられていること
場銭(ばせん)……露天などを出すための場所代。劇場などでの席料
労咳(ろうがい)……肺結核
帰心(きしん)……故郷や我が家に帰りたいと願う心
上酒(じょうしゅ)……品質の上等な酒。
呼子(よぶこ)……よびこ。人を呼ぶ合図にふく小さな笛。
人非人(にんぴにん)……ひとでなし
のっけ……いちばんはじめ。
名作短編42作目は、【米の武士道】
■あらすじ
幕末、甲府城近辺の村では、きたるべき官軍との戦闘にそなえて、兵糧米の召しあげをおこなっていた。石和の代官所の郡代、料治新兵衞は、若いながら郡内をみごとにおさめ領民の信頼もあつかったが、問答無用で、持ち米の召しあげをおこなう。官軍と新撰組が双方せまるなか、新兵衞の真意はどこにあるのか?
■登場人物
料治新兵衞……石和郡代。
五郎右衛門……五ヶ村の名代名主
千代 ……五郎右衛門の娘
弥平 ……家僕
海野伊八郎……甲府城の手代
山田権之助……甲府城の手代
柴田 監物……甲府城の勤士
太田市郎兵衛……幕府側の侍。
西田武四郎……幕府側の侍。
保々忠太郎……甲府城の勤士。新撰組の先遣をつれてくる
■用語集
郡代(ぐんだい)……幕府直轄領の行政をおこなった。
老鶯(ろうおう)……春が過ぎても鳴いている鶯。
達令……命令として伝えること
社倉(しゃそう)……凶作などにそなえて、穀物を蓄えた倉庫。
理合(りあい)……よけあい。理由。道理。
治績(ちせき)……政治上の功績。
治法(ちほう)……国をおさめる方法。
奔端(ほんたん)……早瀬。急流。急湍。
追捕使(ついぶし)……治安を乱す者の逮捕・鎮圧に任命された官。警察・軍事的官職
飛報(ひほう)……急ぎの報せ。急報。
備荒(びこう)……前もって凶作や災害に備えておくこと。
捐金(えんきん)……寄付金
小酌(しょうしゃく)……少しだけ酒を飲むこと。
勤士(きんし)……職務を務める人。ごんし。
闕下(けっか)……天子の御前
慫慂(しょうよう)……かたわらからさそいすすめること
発向(はっこう)……出発して目的地に向かうこと。
しじま……静まりかえっていること。せいじゃく。
捧持(ほうじ)……ささげてもつこと。
名作短編41作目は、【武道仮名暦】
■あらすじ
御意討ち――藩政を私する城代家老を斬ることを命じられるが、事態は二転三転していく。
■登場人物
宗近新八郎……剣の達者にして、尺八もよくつかう。おぬいと結婚が決まっている。
おぬい……剛兵衛の娘。琴の名手。
外村剛兵衛……御蔵奉行
銀之助……剛兵衛の長男。
市之丞……剛兵衛の末弟。
戸沢監物……常陸国手綱藩城代家老。小太刀の達者、
平林六郎右衛門……新八郎に、御意討ちを命ずる。
■用語集
寸志(すんし)……心ばかりの贈り物。自分のおくりものをへりくだって云う。
徒費(とひ)……金銭、時間労力などを無駄に使うこと。
想夫恋(そうふれん)……雅楽
幽遠(ゆうえん)……奥深く、はるかなこと。
姚冶(ようや)……顔かたちが美しく、なまめかしい。
点綴(てんてい)……一つ一つを綴り合わせて結びつけること。
感興(かんきょう)……何かを見たり聞いたりして興味がわくこと。
けぶり……それらしいようす。そぶり。
あやめ……模様。色合い。
糸竹(しちく)……和楽器の総称。
眉宇(びう)……まゆのあたり。
条々(じょうじょう)……一つ一つの条項。
侍者(じしゃ)……貴人の側に仕えて雑用を務める者。
うろん……正体の怪しく疑わしいこと。また、確か出ないこと。真実かどうか疑わしいこと。
擡頭(たいとう)……いきおいをましてくること。
細目(さいもく)……細かい点について規定してある項目。
いちがいに……細かい才を問題にしないで、一様にあつかうさま。
大幅(たいふく)……大きな掛け物掛け軸。
金子(きんす)……貨幣。関西では銀子が阿悪用いられた。
同心(どうしん)……目的、志などを同じくすること。
画幅(がふく)……絵画の軸物
管弦(かんげん)……管楽器と弦楽器
蕭条(しょうじょう)……ひっそりとものさびしいさま
疾呼(しっこ)……口早に激しく呼び立てること。
名作短編40作目は、【武道仮名暦】
■あらすじ
南部藩と津軽は、歴史上の対立があった。伝八郎は、津軽藩の陰謀に同藩士の叛意があることをしり、国許をめざして江戸をたった。
伝八郎は国老津田を怪しんで、身辺をさぐるが、なかなか尻尾を出さない。だけでなく、かってに嫁と見定めるお縫には、海部が近づこうとしていた。
■登場人物
戸来伝八郎……気のいい男だが、喧嘩っぱやいのが玉に瑕。津軽藩の陰謀を食い止めるため、江戸より帰国。
池田 玄蕃……伝八郎の伯父。
お縫 ……玄蕃の娘。
海部信之介……伝八郎とお縫をとりあう。
栗林 源造……伝八郎と決闘をする。
曽根 忠太……伝八郎の仲間。
山田 募 ……伝八郎の仲間。
津田 将曹……南部藩国老。津軽藩に操られているとの噂があるが?
■用語
拱手傍観(きょうしゅぼうかん)……手を出さずにただ眺めていること
出来(しゅったい)……事件が起こるとこと。物事ができあがること。
延引(えんいん)……物事を先に延ばすこと。
蔬菜(そさい)……野菜。青物。
紛擾(ふんじょう)……もめること。ゴタゴタ。
連袂(れんべい)……たもとをつらねること。行動を共にすること。
聴許(ちょうきょ)……訴えや願いを聞き入れて許すこと。
吉左右(きっそう)……よいしらせ。
君家(くんか)……主君の家。
名作短編39作目は、【討九郎馳走】
■あらすじ
兼高討九郎は、無骨者の野人。徒士組支配役として、野戦訓練に熱中するあまり、嫁を取ることもしていない。自分でも自覚があるとみえて、殿直々の役替えすら断ってしまう。それは大名の接待、饗応をおこなう馳走番という部署だったからである。とても自分には向かないことを理由に、一度は辞退したのだが……
■登場人物
兼高 討九郎……岡崎藩の”新しい”馳走番。
水野 主馬 ……岡崎藩老職。
水野 忠善 ……荒大名の異名をもつ岡崎藩主。
徳川 義直 ……尾張藩主。水野忠善の喧嘩相手。
■勉強用用語集
去就(きょしゅう)……進退。どう身を処するかの態度。
ひらに……相手に懇願する様。なにとぞ。どうか
言上(ごんじょう)……目上に人に申し上げること。
強諫(きょうかん)……強くいさめること。
疾呼(しっこ)……慌ただしく呼ぶこと。口早に激しく呼び立てること。
規式(きしき)……定まった作法、方式。
伺候(しこう)……貴人のご機嫌伺いに行くこと。または側近くにいて、仕えること。
侍臣(じしん)……おそばつき
殊功(しゅこう)……とくに優れた功績。
武備(ぶび)……戦争に対する備え
深浅(しんせん)……深さの程度。
供奉(ぐぶ)……行幸や祭礼などに、お供に加わること。
膝行(しっこう)……ひざがしらをついて進退すること。
眉宇(びう)……まゆのあたり
鼾声(かんせい)……いびき
暁天(ぎょうてん)……明け方の空。夜明け。
薄明(はくめい)……日没前、日没後の薄明かりの状態。
瀬踏み(せぶみ)……水の深さを測ること。転じて、物事をする前に、ちょっと試すこと。
しじま……静寂。
耳底(じてい)……耳の奥。
名作短編38作目は、【江戸の土圭師】
■あらすじ
1942年(昭和17年)7月 『譚海』にて発表作品。
おそらく、「おれの女房」
https://www.youtube.com/watch?v=0_WqwM_7ESI
の元になったであろう作品です。若いながら名人といわれる腕をもつが、職人気質で、いいものをつくるためなら期日を守らず、ひどい貧乏暮らしをしている三次郎。お兼は愛想をつかして、家で出て行く。三次郎も窮して飲み歩くようになる。すっかりおちぶれてしまう。
■登場人物
三次郎……時計職人。
徳兵衛……錺職「高橋屋」の主人。三次郎を育てた。
お兼……三次郎の女房。
小林八郎兵衛……三次郎の師。
灘屋七之助……三次郎のライバルとなる時計師。
和田貞次郎……三次郎のライバルとなる時計師。
長兵衛……長屋の家主。
■用語集
半紙(はんし)……ここでは、延べ紙を半分にはった紙のこと。
ちりけ……灸点の箇所。えりくびの下。ちりけもとは、くびすじのこと。
琴曲(きんきょく)……七弦琴または十三弦琴でこく曲のこと。
胡弓(こきゅう)……日本の弦楽器。三味線を小さくしたような形。
芸題(げだい)……げいだい。上演される芸能の題名。
一揖(いちゆう)……軽くおじぎすること。
鬢髪(びんぱつ)……鬢の部分の髪。または、頭髪。
見料(けんりょう)……見物料。
韻律(いんりつ)……リズム。
名作短編37作目は、【酔いどれ次郎八】
■あらすじ
奪われた名刀を追って、薩摩に潜入した友人二人。次郎八は千久馬を逃がすために、一人行方知れずとなる。それが悲劇の始まりであった……
見事宝刀を奪還した次郎八と千久馬だが、薩摩藩の捕り手におわれ、脱出をはばまれる。次郎八は親友千久馬を逃すために一人敵陣に残るのであった。
■登場人物
矢作次郎八……播磨国竜野藩士。藩の名刀を奪った侍を上意討ちするため、千久馬と二人で後を追う。
岡田千久馬……次郎八の友。次郎八から、弟のように愛されている。
森井欣之助……次郎八、千久馬の友。
ゆき江……茅野総造の娘。次郎八の許婚であったが、千久馬と相思相愛となる。
杉原喜兵衛……重右衛門を斬り薩摩藩に逃げた。
■用語集
踪跡(そうせき)……足跡。あとかた。
陥穽(かんせい)……人を陥れるための策略。わな。
脾腹(ひばら)……横腹。脇腹。
刀架(とうか)……かたなかけ
手燭(てしょく)……手にもつ燈。
疑惧(ぎぐ)……うたがいおそれること。ぎく。
刎頸(ふんけい)……首を切られても悔いのないほど、したして交わり。
賞揚(しょうよう)……ほめたたえること。
爛酔(らんすい)……泥酔。
慮外(りょがい)……無礼であること。ぶしつけ。
総角(あげまき)……子どもの髪型
破恋(はれん)……恋に破れること。
久闊(きゅうかつ)……久しくあわないこと。
盃洗(はいせん)……酒席でやりとりする杯を洗いすすぐための器。
酔歩(すいほ)……酒に酔ってふらふらしながら歩くこと。
蹣跚(まんさん)……足下がよろめく様。
孤灯(ことう)……一つだけと持っている灯火。
名作短編36作目は、【蕗問答】
■あらすじ
1940年(昭和15年)7月 『冨士』掲載。極端な物忘れ男が巻き起こす騒動をコミカルに描いた作品。
■登場人物
寒森新九郎……秋田藩年寄役筆頭。健忘家。主君の義敦に諫言しようと、江戸に上るが、内容を忘れてしまい、苦し紛れに、浪江を嫁にもらうと言い出してしまう。
佐竹義敦……秋田藩主
浪江……義敦の侍女だが、おこぜと綽名があるが、実は……。
■用語集
顕要(けんよう)……地位が高くて重要なこと
圭角(けいかく)……性格や言動に、かどがあること。
数寄屋(すきや)……茶室、勝手、水屋などが備わった別棟の茶室。
喫急(きっきゅう)……喫緊の誤用と言われていますが、造語なんでしょうか?
寸善尺魔(すんぜんしゃくま)……善いことの方が少なく、悪いことのほうがおおいこと。善いことが少しあっても、悪いことに邪魔されること。
料紙(りょうし)……物を書くのに用いる紙
太守(たいしゅ)……江戸期には、国持ち大名の俗称となった。
名作短編35作目は、【大将首】
■あらすじ
剣の達人でありながら、仕官の口がなく浪人暮らしを続けている……という点では、雨あがるを思わせるお話ですが、
https://www.youtube.com/watch?v=7RBaUzIkshs
腹ぺこで、強盗をくわだてる侍、という点では、日々平安、的な箇所もあり、
https://www.youtube.com/watch?v=i_EOjtYvVAQ
苦節をこえて、念願をはたすという点では、槍術年代記をおまわせる部分もありますね。
1940年(昭和15年)8月 『キング』発表作品で、それ以降の作品に行かされていったのではないでしょうか?
■登場人物
池藤六郎兵衛……浪人ながら、剣術の名手。妻に、嘘を云い足軽奉公を始める。
佐藤主計……浪人。腹ぺこをくに、六郎兵衛をおそう。
文江……六郎兵衛の妻。
植村弥兵衛……岡崎藩足軽組頭。
鷺山伝造……六郎兵衛の足軽仲間。
大横田主膳……岡崎藩の剣術師範役。
■用語集
田面(たのも)……田の表面。たづらとも。
茅屋(ぼうおく)……茅葺きの屋根や家。
榾火(ほたび)……焚き火
朔風(さくふう)……北風
駘蕩(たいとう)……さえぎるものなく、のびのびしているさま。平穏でのんびりしているさま。
衣紋(えもん)……和服の襟の、胸であわせるところ。
出役(しゅつやく)……江戸時代に、本役をもっているものが、臨時に他の役を兼ねること。
名作短編34作目は、【失蝶記】
■あらすじ
1959年(昭和34年)10月 『別冊文藝春秋』発表作品。藩の尊王派のリーダー谷川主計は、砲の訓練時の事故で、耳が聞こえなくなる。そのことを利用され、親友をきり、仲間に追われることになる。
■登場人物の紹介
谷川主計……尊王派の若侍。大砲試射のおり事故にあい、聴力を失う。
杉永幹二郎……主計の親友。
紺野かず子……杉永の許婚者。
治兵衛……谷川家の元下男。
おすえ……治兵衛の娘。
吉川十兵衛……尊王派の志士。
梓久也……尊王派の志士。
真壁綱……故君の側用人。佐幕派。
■失蝶記より
賓客(ひんきゃく)……うやまうべき客人
訴人(そにん)……訴え出た人。告訴人。
名代(みょうだい)……一人代理をつとめること。またその人。なだいと読む場合は、有名であること。名が世によく知られること。
旅嚢(りょのう)……旅の荷物を入れる袋
張り抜き(はりぬき)……張り子。中身のない張り子と同じ。
鋳鉄(ちゅうてつ)……鋼にくらべて硬くもろい性質をもつ鉄の合金。『なぜか、いてつとよびそうになります』
砲架(ほうか)……砲身を載せる台。
火口(ほくち)……点火具のこと。燃焼しやすい素材。
故君(こぎみ)……死んだ貴人をうやまっていう。
藩吏(はんり)……各藩の役人。江戸期につかった。
別墅(べっしょ)……別荘。別邸。
名作短編33作目は、【孫七とずんど】
■あらすじ
1945年(昭和20年)3月発表の滑稽物。好対照の親友だが、ぼけの孫七郎は、天然なのか大物なのか、なにも気にしないぶっ飛んだ男で、27才になるのに、戦場にでたことがない。一方つっこみ役の寸度右衛門は、そんな孫七がはがゆくてならない。どうにかこの友人を世に立てようと、策を練る。
■登場人物
柿ノ木孫七郎……榊原康正の家臣。27才になるが、何も気にしない男で、留守部隊ばかり勤めたため、いくさにでたことがない。
石原寸度(ずんど)右衛門……酒井家の家臣。親友の孫七郎を世に出そうといろいろ画策する。
榊原康政……徳川家の武将。孫七郎の主君。
お初……六郎兵衛の妹。孫七郎の見合い相手。
■用語集
蟄伏(ちっぷく)……ひそんでいること
佳麗(かれい)……美しい女性。
叢林(そうりん)……樹木が群がって、生えている林
搦手(からめて)……城や砦の裏門
究竟(くっきょう)……物事をきわめた最高の所。つまるところ。結局。
箙(えびら)……矢を入れる武具のこと。
名作短編32作目は、【避けぬ三左】
■あらすじ
1941年(昭和16年)12月 『講談雑誌』掲載。時は、戦国末期。秀吉より、北条氏討伐の命をうけた徳川家康は、配下の武将榊原康政に鷹巣城攻めを命じた。そして、榊原康政の配下には、「避けぬ三左」こと、名物男、国吉三左衛門がいた。三左は、関東移封となる主君を案じて、嫁をめとることにするが。天衣無縫男の活躍を描く、山本周五郎の傑作短編です!
■登場人物
国吉三左衛門常信……榊原康政の家臣。避けないので「避けぬ三左」と呼ばれる。「天気の三左」とも呼ばれる榊原家中の名物男。
榊原康政……徳川家康の侍大将。三左衛門の主君。
大橋弥左衛門……榊原家の年寄。槍組の侍大将で、三左衛門の上役。結婚の仲立ちをする。
鷲尾八郎兵衛……榊原家のお使役にして、すぐれた武士。
小萩……八郎兵衛、妹。三左衛門の妻になるのか。
■まぎらわしい用語集
葛布(くずふ)……葛の糸をつむいでつくった織物。
短袴(たんこ)……丈の短いはかま
蔀(しとみ)……格子を取り付けた板戸。上部が開く構造。
障塀(しょうへい)……障子と屏風。しきり。へだて
まひわ……雀よりも小さな、黄色い鳥。飼育に向かない弱い鳥。
荒蕪(こうぶ)……荒れるに任せた土地のこと
出来(しゅったい)……事件がおこること。物事ができあがること。
挺身(ていしん)……進んで身を投げ出し、困難な物事にあたること。
犇々(ほんぼん)……すきまのないさま。ぴったり。
堀切(ほりきり)……地面を掘って切りとおした水路。
黒鍬(くろくわ)……戦国期に、築城、開墾、道普請などに従事した人。黒鍬者。
矢狭間(やざま)……城壁などにあけた矢を射かけるための穴。
指呼(しこ)……呼べば答えるほどの近い距離。
名作短編31作目は、【橋の下】
■あらすじ
1958年(昭和33年)1月 『小説新潮』に発表され、38年と、45年に映像化された名作。
友人との決闘をひかえた若侍は、気負いのためか、約束の刻限よりはやく川原についてしまう。寒さに凍える若侍は、橋の下に火の手をみとめるが、そこにいたのは城下でも有名な「夫婦乞食」であった。
登場人物が少なく、みんな名前が出てこないという、めずらしい作品。若い過ちをさとす老人と、情景がかもす心象風景が印象的な作品です。
■登場人物
若侍……決闘をひかえた侍。老乞食の話を聴く。
老人……橋の下に住む乞食。元侍であった。
妻女……老人の妻。
名作短編30作目は、【槍術年代記】
■あらすじ
槍術に抜群の才をしめすものの、足軽の身分の低さに甘んじる友右衛門が、親友との決闘を機に諸国を遍歴する。妹をつれて仕官の道をさぐるが、うまくいかない。高島で、再び足軽となるが、そこでまっていたのも屈辱の日々であった……
1939年(昭和14年)5月発表の作品で、この年、周五郎先生にもスランプが訪れたようで、原稿用紙に題名を書いただけで、一行も書けない日々があったらしく、七沢温泉で、一ヶ月過ごしたそうです。その割に多くの作品を残しているので、温泉は効果があったのかも。
■登場人物
兵堂友右衛門……出羽国松山藩の足軽にして、槍術に天才的な才を示す。士分と足軽の対立をきっかけに、親友孫次郎と決闘し、藩を出奔、妹と諸国をさまようことになる。
小夜……友右衛門の妹。
寺沢孫次郎……友右衛門の親友。
島田伝十郎……高島藩横目役の倅。酒癖が悪い。
名作短編29作目は、【だだら団兵衛】
■あらすじ
1932年(昭和7年)5月に、雑誌【キング】にて掲載。後年書かれたものに、「山だち問答」がありますが、その元となったお話です。
京に主命をおびて向かう団兵衛は、山賊たちに囲まれる。今は身ぐるみわたすわけにはいかないが、君命を果たしたのちには、衣服も大小もすべてわたすことを約束し、京に向かうのだが、ここから運命は大きくわかっていき……
■登場人物
多々羅団兵衛……高虎家臣。山賊との対応が気に入られ池田侯に無理に家臣にさせられる。
藤堂高虎……団兵衛の主君。
池田光政……鳥取、岡山の藩主。団兵衛を召し抱えようともくろむ。
畠山左太夫……光政の家臣で、団兵衛と試合をする。
大蛇嶽(おろちだけ)闇右衛門……山賊。団兵衛の家臣となる。のち、弥九郎
南部八郎太……光政の家臣。
梁川主馬……光政の家老。
梁川三十郎……主馬の子。
垣内彦六……元岡山藩士。
名作短編28作目は、【ちくしょう谷】
兄の織部が決闘により死んだ。江戸の剣術修行から急遽もどった朝田隼人は、兄の死に不審を覚えながらも、流人村の改革に乗り出す。 流人村の木戸番には、兄を斃した西村半四郎がいた。
■登場人物
朝田隼人……本編の主人公。兄の死後、流人村の木戸番頭となり、流人村の現状を改善しようとする。
小池帯刀……隼人の友人。きいの兄。
織部……隼人の兄。半四郎と決闘して死去。
西沢半四郎……織部の部下。流人村の番士に左遷される。
斎藤又兵衛……決闘の立会い人。
きい……織部の妻。
小一郎……織部の長男。
根岸伊平次……道場の門人。織部の死因を疑う。
横淵十九郎……道場の教頭。
岡村七郎兵衛……流人村番士。隼人を助ける。元弟子。
小野大九郎……番士。
乾藤吉郎……番士。
松木久之助……村番士。
権六……流人村の住人。隼人をなぐったことで、逃亡する。
正内老……流人村の住人。村落の世話人であり、隼人を助ける
いち……流人村の女性。権六と隼人の争いの原因となった。
あや……流人村の住人。隼人を慕うようになる。
前編
中編
流人村に入り込み、住民たちの内側から改善しようとする隼人だが、村には彼の命を狙う者がいた。 果たしてその正体は、権八なのか、それとも……
後編
流人村の木戸に、冬がせまるなか、城下町とをつなぐ、ゆいいつのかけはしが老朽化のため、崩落してしまう。隼人は早急に。かけ直そうとするが、木戸の倉で火事がおこり、そこから出てきたのは、流人村の娘いちの死骸だった――
名作短編27作目は、【白石城死守】
■白石城こぼれ話
本作で、伊達軍上杉軍の攻防の場となった白石城ですが、現在は、宮城県白石市にて、復元されています。
白石城の戦いのあと、作中にも登場した片倉氏の居城となりました。一国一城制の対象外ということで、幕末まで存続(ただし、三層の天守閣は、本藩や幕府への配慮で大櫓と呼ばれていた)
戊辰戦争時は、このお城で白石列藩会議が行われ、奥羽列藩同盟の発足につながりました。北白川宮が滞在されたことでも有名。
明治七年に取り壊されてしまいました。
城の復元は、大河ドラマに伊達政宗が選ばれたことで大きく前進し、一億円を超す寄付が集まりました。文献にあたり発掘調査も行われて、忠実な復元を心かげたそうです。120年ぶりの再建となります。
復元天守としては、最大級! 耐用年数は250年(ちなみに関連の武家屋敷は、260年以上も昔に建築されたそう)。壁の厚さは20センチをゆうにこえ、古来の耐火構造をほこっています。
震災での復旧も終わり、現在は、外国人観光客の城泊ツアーなども行われたそうです。
続日本100名城に選ばれています。
■登場人物
浜田治部介……本編の主人公。「はっきとせぬ」といわれながらも、周囲からの信頼は厚い。
伊達政宗……いわずとしれた独眼竜。治部介に白石城防備を命ずる。
片倉景綱……政宗の右腕。後の白石城城主。
奈保……治部介妻。久しく会っていない。
半沢市十郎……治部介家臣。
多紀勘兵衛……治部介家臣。
比野五郎兵衛……治部介家臣。
名作短編26作目は、【枡落とし】
1967年(昭和42年)3月、『小説新潮』発表
おみきとおうめの母娘は、やくざな父に長年苦しんできたが、人のよいおみきは周囲の人を助けながらつつましく暮らしてきた。ところが、千太郎が殺人で伝馬町おくりになったことから、生活は一変してしまう。町内にいられなくなった親子は、逃げるように引っ越し、人の目をさけるようにして生きてきた。新しい生活に少しでも希望をみいだそうとするおみきだが、そこへ千太郎の知り合いだという男が訪ねてきて……
親子夫婦の情愛を山本周五郎が丹念な筆致で、語ります。
登場人物
おみき……玳瑁から生地をつくる内職で生計をたてている、腕の良いべっこう職人。
おうめ……おみきと千太郎の娘。
千太郎……おみきの亭主。まじめな職人だったが、身を持ち崩し、母娘を苦しめる。人をあやめ、凶状持ちになる。
芳造……伊予邑の職人。おうめに惚れている。
幸助……千太郎と牢で暮らしていた出獄後に、おみきの長屋を訪ねてくる。
喜六……おみきたちの長屋の家主。
名作短編25作目は、【あすなろう】
とある居酒屋で話す二人の男。文治と政。政はどうしようもない小悪党で、女をだましては金をまきあげ、岡場所にしずめていた。文次は政の行いをあらためようとする。
登場人物
文次……悪人。人をあやめて逃げている。
政……女ったらし。文治を慕う。
和泉屋……岡っ引き。文治をおっている。
おひろ……徳銀の娘。
山本周五郎の名作短編24作目は、【夜の蝶】
一場面ものの傑作です。とある屋台の酒屋。葦簀でぐるりを囲い、うまいつまみを出すその店には、今日も常連客がつどっている。その常連の中に一人、旅装の男――言葉を聞いていると、どうやら上方から来たらしい。客たちの話を聞きながら、主人の与平としゃべっていた男の耳に、女のわけありげな声が聞こえてくる。「高次はどこ――?」
下町の義理人情をうつした、これも名品にございます。
夜の蝶、登場人物
旅客……上方からやってきた旅の男。
お幸……麻問屋、京伝の娘。高次をさがしているが。
高次……京伝から姿をくらました手代の男。
老人……貝屋で酔いつぶれていた老人。元京伝につとめていた。源太。
与平……貝屋主人
六兵衛……通称。ずぶ六。佐渡屋の蔵番。
竹造……八百屋。「貝屋」常連の若者。
勇吉……土屋の船頭。「貝屋」常連の若者。
お梅……京伝、女中。お幸の世話をしている。
山本周五郎の名作短編23作目は、【砦山の十七日】
■砦山の十七日
昭和二十七年発表。サンデー毎日臨時増刊号でした。 貧窮問答の他
https://www.youtube.com/watch?v=90swj7s7Hcc
正雪記、栄花物語が連載されています。 1968年には、斬るのタイトルで東宝にて映像化されました。
藩のために城代家老を斬った七人の侍たちが、別の家老に討ち手を差し向けられ、砦に立てこもる。その十七日間の攻防と心の変遷が描かれています。
■主要登場人物
笈川哲太郎……中老職伊織の長男。家老暗殺のリーダー格。24才
笈川紋之助……国表用人内記の長男。23才
正高大次郎……馬廻り忠左衛門の長男。25才
庄田孫兵衛……槍組番頭。同士の一人。副指揮者。25才
藤井功之助……槍組徒士又右衛門の弟。22才
西村伝蔵……馬廻り。26才
吉田弥兵次……足軽組頭。28才
松尾新六……哲太郎らの協力者。江戸へ使いに走る。
梶井千乃……哲太郎の許嫁。討ち手の来訪を知らせるため、砦に走り、ともにたてこもることに。